ノスタルジィ?〜『再び始めるBCL』

昔憧れだったキヤノンF-1を買うように、SONYのスカイセンサーICF-5900を中古で買う人が増えているらしい。それがきっかけでBCLに再度のめりこんでいるとか。それでこんな本も出ている。

再び始めるBCL―世界のラジオを楽しむ! (三才ムック VOL. 188)

再び始めるBCL―世界のラジオを楽しむ! (三才ムック VOL. 188)

前回BCLブームの1970年代と比べると、海外の日本語放送は格段に減っているそうだ。ネットで情報発信ができるようになったというのが最大の原因だろう。だが、ノイズの向こうに異国の放送局を求めてダイヤルを回してチューニングするワクワク感はインターネットとはまた別のものだと思う。

最近のラジオは、PLLシンセサイザーでデジタル化され、チューニングもダイヤルではなくテンキーによるものが主流となった。だがそれはデジタルカメラと同じように味気ない。失敗がほとんどない代わりに、自分の手で操作する喜びが少ないのだ。

古いものの方が所有欲を満たすというのは困ったものだけれども、やはり1970年代の日本の工業製品は素晴らしかったと思う。いや、そういうノスタルジィに浸る自分が年をとったということか。