第一回ナカGフェス@新宿MARZ

音楽フェスは、セレクトショップのようなものだ。

セレクトする人のセンス次第で「粒ぞろい」にも「玉石混交」にもなり得る。

アイドル好きで有名なマンガ家・ナカG先生の主催する第一回「ナカGフェス」が開催された。

出演者は、かねてよりナカG先生と親交の深いアップアップガールズ(仮)RYUTist、そして、ナカG先生が好きだというアイドルネッサンスとKus Kus。

この出演者の名前を見ただけで、主催者の趣向を反映した「筋の通った」セレクトであることがよく分かる。こういうのは大好き。

第一回ということもあり手堅くキャパ300の新宿MARZでの開催としたと思うが、チケットは早々にソールドアウトとなり、当日券も出ないという大盛況っぷり。

開場から開演

今日は11時開場、11時30分開演という早いスタート。

この30分の間に、音声のみでナカG先生と出演者によるラジオ(トークショー)が行われ、本番への期待を高めていた。

アイドルネッサンス

今日のトップはアイドルネッサンス

11時30分から5分程度押してのスタート。

「Good day Sunshine」で爽やかに始まって、アウトロで眠るポーズで終わると、次の曲はもうこれしかない。

眠りから覚めるような振り付けの「金曜日のおはよう」へ。

MCでは「おはようございまーす!」と挨拶。セトリもナカG先生のリクエストを取り込んだということで、なるほどこういう「朝方」の構成が見せたかったのかな、と思う。

と思っていたら、新井乃亜ちゃんのソロで始まるバラード「Lucky」と来て、ダンスチューンの「Music Lovers」へ。

いきなり夜のクラブにタイムスリップしたかのうような振れ幅。

そして、「ミラーボール」という歌詞が登場するパートで、いきなりミラーボールが回転し始めて、ステージにもフロアにも、キラキラとした光のかけらが舞う。

なるほど。

「Music Lovers」の演奏で実際にミラーボールが回っているのを見たのは始めてかもしれない。

デビュー曲「17才」から告知のMCを挟んで最後は最新シングルの「Funny Bunny」へ。

フジファブリックの志村の命日を明日に控え、共演するRYUTistが「若者のすべて」を歌う可能性があることを思うと、アイドルネッサンスは「夜明けのBEAT」を歌うかも、という微かな期待はあったが、今回はそういう文脈のセトリではなかった。

しかし、アイドルネッサンスの幅広い世界を魅力を感じられるステージだった。

(セットリスト)

1 Good day Sunshine
2 金曜日のおはよう
MC
3 Lucky
4 Music Lovers
5 17才
MC
6 Funny Bunny

Kus Kus

ユニバーサルに所属する女性二人組ユニット。

前回見たのは3人組時代で、楽曲がエレクトロなので、少しPerfumeを思わせるところがあったが、現在の2人編成になって、ダンスのフォーメーションよりも、2人のパーソナリティが見えやすくなってきたと思う。

スタンドマイクで、傘を小道具にして歌う「恋模様」は名曲だと思うし、その他の曲もじっくりと聴けるものが多かった。

まいちゃんのほんわかしたキャラと、がっちゅーのヲタク好きのするキャラの対比も印象的で、今回、ナカG先生がセレクトしたもの頷けるユニットだった。

RYUTist

続いては新潟古町から新宿に遠征してきたRYUTist

OPSE代わりの「RYUTiswing take2」で登場すると、最初の曲はなんと「カラフル・ミルク」。

ここが新宿の繁華街であることを一気に忘れるような清涼感。

続いて、最新シングルの「Winter merry go round」から冬の代表曲「冬の魔法」、そしてアイドル楽曲大賞に僕が投票した文字通りの神曲「神話」、連続で「若者のすべて」。

やっぱり来たか「若者のすべて」。

MCではセトリはナカG先生が決めたということ。なるほどこれは確かに今のRYUTistの魅力を凝縮している。

そして、最後は「ラリリレル」。

「もっと聴きたい」という気持ちを禁じえなかったが、今日、この後にクリスマスワンマンライブが控えているという告知もなされ、さじ加減としてはこれで想定通りなのかもしれない。

(セットリスト)

0 RYUTiswing take2
1 カラフル・ミルク
2 Winter merry go round
3 冬の魔法
4 神話
5 若者のすべて
6 ラリリレル

アップアップガールズ(仮)からフィナーレ

トリはアプガ。

ナカG先生との関係的にも、そして実力・キャリア的にも、アプガのトリは順当すぎるくらい順当。

ファンが後方から押し寄せ、うねるようなムーブメントがフロアに広がる。

僕は一つ上の階に退避したが、そこは女性限定になっていて、メンバーカラーのTシャツにサイリウムを持ったファンでごった返している。

アプガ凄い。

ライブはいつものように全力で熱く、フェスを盛り上げ切って終わった。

フィナーレでは、全出演者とナカG先生がフロアに登場し、感想のMCやら今後への抱負やらを語って、第一回のナカGフェスは大盛況のうちに幕を閉じた。

物販・特典会

ただでさえ狭い満員の新宿MARZで、終演後に一斉に4組の出演者が、物販と特典会を開催。

まずはアイドルネッサンスのナカGフェス限定Tシャツを購入。

これ、メンバーみんなの特徴を捉えているし、かわいいし、楽しそうでいいよね。

そして、アイドルネッサンスの「お見送り会」に行って、一人づつに「Funny Bunny」のリリースのお祝いの言葉を述べた。

その中で、宮本茉凜だけが、僕にオリコンランキングの話題を振ってきて、さすがだと思ったよ。「スターウォーズ」的に言うなら、まりんちゃん、フォース覚醒してるんじゃないの?っていう鋭さ。

「第2回ナカGフェス」にも期待

最初にも書いたけど「フェス=セレクトショップ」だと思っているので、好きなユニットが出演しているというだけで、なんでもかんでも行くということはしていない。

しかし、今回のナカG先生のように「自分で観たいものを集めました」みたいな意図が感じられるものは、同じアイドルファンとして観ていて楽しいフェスにになる。

だから、もし「第2回ナカGフェス」という」ものが企画されるのなら、やっぱり行くことになるじゃないかなと思う。

箱の大きさとか、時間管理とか、物販・特典会の流れとか、女性限定エリアの運用とか、いくつか課題もあったようにも思うので、そのあたりは次回に向けて改善されることに期待。

ナカG先生と出演者の方々に感謝したくなる、そんな楽しいフェスだった。