なるほど巧い〜『死神の精度』

映画化されるということもあって、伊坂幸太郎の『死神の精度』を読んだ。

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度

なるほど伊坂幸太郎は巧い。作家としてはときに理が勝ちすぎているきらいがあるけれども、伏線の張り方、回収の仕方、控えめであるがゆえににじみ出るユーモアの感覚、そして余韻を残すラスト…どれをとっても感服する。

『死神の精度』は短編集というか連作集だけれども、最後の話のラストは本当に素晴らしい。マンガの『デビルマン』のラストシーンのように、悠久の時間と同時に人間の儚さを静かに感じさせる感動的なエンディングだ。

単行本の本の装丁もいい。文字のデザインと写真が合っている。各話の表紙の写真も内容とマッチしていて素晴らしい。