桜庭一樹のライトノベル作家時代の傑作。でも、これはライトノベルと呼ぶにはあまりに暗い。そしてときにグロい。しかし、文学というのは「闇の部分を晒し出す」という性質を、いずれかの程度にせよ持つべきだと思う。その点では、この作品は優れた文学だ。芥川賞を受賞する資格のある作品だと個人的には思う(辻仁成の『海峡の光』よりも人間の持つ闇の部分を正視していると感じる)。
「萌え」な表紙とは全く関係のない世界が、ページを繰るたびに展開していく。いや、最初から倒叙形式であり、ほとんどネタバレはしているのだが、それにしても読み進むたびに沈んでいく。桜庭一樹は神!と思う。
- 作者: 桜庭一樹,むー
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2004/11
- メディア: 文庫
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読み手を選ぶ作品だが、乙一などのダークなものが好きな人にはお勧めできる。
ただ、上の表紙はむしろ読者層を狭めてしまうので、下の方がいいかも。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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