自我こそ最大の謎〜『祈りの海』

早川書房の「SF&ファンタジイ・フェア」(関連:2008-06-23 - coco's bloblog - Horror & SF)シリーズ。ようやく早川書房公式サイトに掲載。でも、書店にはいまだ並ばず。

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)

祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)

今回はマイナー本大好きの国生寛子さんおすすめ(ちなみにこの名前の読み方は「こくしょうかんこ」)。グレッグ・イーガン『祈りの海』。これは表題作を含む短編集で収録作品は以下の通り。

  • 貸金庫
  • キューティ
  • ぼくになることを
  • 百光年ダイアリー
  • 誘拐
  • 放浪者の軌道
  • ミトコンドリア・イヴ
  • 無限の暗殺者
  • イェユーカ
  • 祈りの海

いずれもSFのスタイルをとってはいるものの、自我についての考察。デカルトの「コギト」。綾波レイ問題。最大の謎は、宇宙ではなくこの「僕」という意識が何者なんだろうかと。

どの作品も根源的な思索によって小宇宙を形成している。また再読したいと思わせる。採点=★★★★★(★★★★★が満点)

  • 早川さんのおすすめ

★★火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)(レビュー=id:SHARP:20080703)

  • 帆掛さんのおすすめ

★★★ローズマリーの赤ちゃん (ハヤカワ文庫 NV 6)(レビュー=id:SHARP:20080708)

  • 岩波さんのおすすめ

★★★★砂漠の惑星 (ハヤカワ文庫 SF 273)(レビュー=id:SHARP:20080523)

  • 富士見さんのおすすめ

たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)(レビュー=id:SHARP:20080707)

  • 国生さんのおすすめ

★★★★★祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)(レビュー=id:SHARP:20080714)

これで一巡。ということで、今度は富士見さん以外の4人で二巡目に進もう。