誰もが旅人になれるわけではない〜『狼と香辛料(4)』

前回の事件で手に入れた「小麦」を商品として、ホロの故郷の情報を求めながら、旅を続ける二人。ロレンスとホロの掛け合いも巻を追うごとに楽しくなってきている。

狼と香辛料〈4〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈4〉 (電撃文庫)

また、商売とファンタジーのバランスも絶妙で、ソロバン勘定だけの話にもなっていないし、また単に超自然な力で勝負する冒険譚にもなっていない。ここには、剣も魔法も出てこないが、それでもドラマがある。今回も行商に憧れる若者と、教会を守る若い女性司教が登場するが、守るべき村がある。誰もが旅人になれるわけではないのだ。

ということで、最新刊まで読み進んでしまったが、この作品は続巻もぜひ読みたい。高校生ならハルヒやシャナもいいが、大人ならこういうライトノベルの方が楽しめると思う。いずれにしても傑作。