商人・ロレンスと賢狼・ホロの奇妙な旅を描いた『狼と香辛料』の第2巻。
- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/06
- メディア: 文庫
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今回は、前巻のラストで大量に仕入れた武具の相場が大暴落している、というところから始まる。が、ここであきらめるような二人ではない。思いもかけないような「裁定取引」(実際には脱法行為だけど)を仕掛けることを狙う(この先はネタバレを避けるために記載しません)。
一話完結の形でこういう商売ネタを書くとなると、まあ大体こんな感じになるのだろうという展開。今回は相当大きなリスクを取ったのだが、さまざまな形でヘッジされているというわけだ。「神」とも呼べるホロの存在自体が何よりのヘッジになっているあたり、純粋には経済小説とはいえない。まあ、ライトノベルだから最終的にはファンタジーで良いのだと思う。
いずれにしても、やや類型化の兆しは見えるものの、ロレンスとホロのやりとりは楽しい。この二人に恋愛感情めいたものが芽生えているところ自体が微笑ましい。
言いかえれば「獣耳と尻尾はサイコー」と。ぱっと見では「萌え」と無縁のようでいながら、その種の属性の人のツボはしっかりと押さえているところが上手い。