で、ヒロインは誰だったの？〜『とある魔術の禁書目録（９）』

文章は上手くなった。西尾維新の影響を感じさせるが、いずれにしても巧みになった。イラストは相変わらずよい。ライトノベルギリギリの「露出」のものがときどきある。いや、頻繁にあるというべきか。「全裸フラグ／半裸フラグ」が立ちまくっている。

学園ものということで、とりあえず舞台を「体育祭」にしているようだが、プロットの中心はいまだに全貌の見えない敵の宗教団体（「ローマ正教」）との闘い。で、また新しい登場人物が出てくるが、肝心のインデックスの出番が少ない。

「…で、ヒロインは誰だったの？」とあとがきにあるのを見つけて「オマエが言うな」と突っ込みくなる。いや、読者に突っ込まれる前に、著者が先に自虐的に突っ込んでいて逃げ場を確保しているというべきか。

ストーリー自体も今回は「前編」とも呼ぶべきところで終わっており、次の（10）まで読まないと評価はできないかな。