百合的展開?〜『とある魔術の禁書目録(7)』

表紙からすると「シスター同士の禁断の百合展開」かと思われるが、実際には、イギリス清教とローマ正教と天草式の三すくみの対決(なんじゃそりゃ)。

もうこの小説に関しては、一貫性も、整合性も、世界観さえもいらない。もう何でもあり。文章の勢いと、矢継ぎ早の刊行ペース(これが意外に大事!)と、あとは魅了的な挿絵。本書で言えば、灰村キヨタカの表紙と巻頭カラーイラストはもちろん、ストーリーの重要な場面できっちりと「見たい絵」を見せてくれるところがいい。この点で、編集者の腕の確かさを感じさせるシリーズ。

ストーリー? もはやマンネリ化しつつあるが、今回も「基本的には悪人はいない」ということかなあ。