「渋谷系」を笑え!〜『デトロイト・メタル・シティ』

フリッパーズ・ギターをリアルタイムで体験し、カヒミ・カリィの和製フレンチポップスに心酔した僕にとって、『デトロイト・メタル・シティ』は、笑いなしには読めない。

デトロイト・メタル・シティ (1) (JETS COMICS (246))

デトロイト・メタル・シティ (1) (JETS COMICS (246))

このマンガは、主人公の根岸崇一が不本意ながら扮するクラウザーII世がフロントマンとなっているデスメタルバンドの人気っぷりと、彼が本当に愛する「渋谷系」を演奏したときの不人気っぷりのギャップがおかしい。

半ズボンがトレードマークの「サジヒデキ」が中心となっているバンドが登場して、ボーダーのシャツを着たメンバーが甘い歌詞をハモるなど、もう分かる人にしか分からない世界なのだけれど、それゆえにツボにはまる。

デスメタルを愛する人にも、渋谷系を愛する人にも、爆笑と苦笑を与えてくれる素敵な作品だ。ヤングアニマルというマイナー誌の連載だが、あちこちで評判になり、Amazonの売り上げでもNo.1になったと帯に謳ってある。

何ヶ月か前にマンガ好きの大親友から借りて読んだ、ようやく今日自分で買った。これはフリッパーズにはまった30代には必携の書だと思うから。