金融社会主義?

金融取引は、経済的にはゼロサムゲームとなる。つまり、誰かが損をするということは、別の誰かが得をするということを意味する。今回のジェイコム株について言えば、みずほ証券が百億円単位で損した分は、別の市場参加者の利益となっているというわけだ。

証券取引所が売買を有効に成立させている限り、その結果生じた利益を「没収」するというのは、金融における社会主義に他ならない。財産の接収とか凍結とか国有化とか、そういう発想がまかり通るような土壌には、国際的な金融市場は育たない。こんなことが続けば、外資系の金融機関は、東京から香港やシンガポールに逃避してしまうだろう。

出る杭を打つ「日本村」的な根性は、もうたくさんだ。

UBSグループ、ジェイコム株で120億円の利益

みずほ証券ジェイコム株を大量に誤発注した問題で、欧州系金融機関のUBSグループが、約120億円の利益を得ていたことが、同グループが提出した大量保有報告書でわかった。ただ、関係者によると、同グループは、約120億円の利益をみずほ証券に返還する方向で検討しているという。

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