アート

ホキ美術館名品展へ

日本初の写実専門美術館として2010年11月にオープンしたホキ美術館にようやく行ってきた。東京駅から横須賀線で60分。土気駅からバスで5分。バス停を降りると、新興住宅地の隣りに大きな建物が見えてくる。公式サイト:ホキ美術館 HOKI MUSEUM館内に入ると保…

田中三蔵さんの思い出

2012年2月27日、元朝日新聞編集委員の田中三蔵さんが亡くなった。享年63歳。死因は膵臓がんだった。三蔵さん、とあえて書くのは、故人との親密な関係を誇示するためではない。彼のことは誰もが親しみをこめて「三蔵さん」と呼んでいた。まさにご人徳だ。その…

Amazon.ukで画集を注文

Amazon.ukに注文した画集が届き始める。ミュシャはいいな。 Delivery estimate: 2 May 2012 - 8 May 2012 "J.W. Waterhouse" Peter Trippi; Paperback; £15.51 "Victorian Painting" Lambourne, Lionel; Paperback; £26.60 "Alphonse Mucha" Mucha, Sarah; H…

『絵師100人展02』@秋葉原UDX

ゴールデンウィーク恒例イベントとなりつつある『絵師100人展02』に行った。公式サイト:絵師100人展今回は「四季」がテーマということで、一枚の作品に四つの季節を織り込んだ作品もあれば、一つの季節にテーマを絞って描かれた作品もあった。蒼樹うめ、い…

大エルミタージュ美術館展@国立新美術館

ヨーロッパ・コンプレックス。ヨーロッパに憧れるロシアがエルミタージュ美術館の作品群から見えてくる。公式サイト:大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年もともとは、ドイツからロシア皇太子に嫁いだエカチェリーナ2世がヨーロッパから買い…

バーン=ジョーンズ展が来る

開催中の『KATAGAMI Style』が話題の三菱一号館美術館だが、6月からはバーン=ジョーンズ展。冴えている。三菱一号館はフランスものに強いイメージだが、イギリスものやアーツ・アンド・クラフツものにも力を入れていくようだ。これは、『バーン=ジョーン…

成海璃子が「美術手帖」最新号に登場

「美術手帖―総力特集・東京アートガイド2012」(2012年5月号)に成海璃子登場。表紙・巻頭カラー合わせて10ページ。写真・映画・アート好きなら、成海璃子好きだよな。ということで、これは的を射たマーケティングだと認めざるを得ない。まず何よりも表紙の…

「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」@Bunkamura ザ・ミュージアム

「レオナルド・ダ・ヴィンチ」と銘打っておきながら、彼自身の作品は若い日の習作2点の他、「ほつれ髪の女」くらい。Bunkamuraザ・ミュージアムは相変わらず「羊頭狗肉」だなと思ってしまう。見終えて物足りない感じばかりが残る。公式サイト:同時代の画家…

「ボストン美術館 日本美術の至宝」@東京国立博物館

明治維新後に散逸しそうになった日本美術を守ったのはアーネスト・フェノロサや岡倉天心だった。彼らの手によりボストン美術館の中国・日本部に収集されたコレクションが今回日本に帰ってきた。公式サイト:特別展 ボストン美術館 日本美術の至宝個人的には…

『KATAGAMI Style』@三菱一号館美術館

19世紀後半に欧米を席捲した「ジャポニスム」。そのジャポニスムを「KATAGAMI(型紙)」という切り口で展示しているのがユニーク。「世界が恋した日本のデザイン」というサブタイトルがちょっと気恥ずかしいのを除けば、センスのよい展覧会だと思う。最近の…

『セザンヌ―パリとプロヴァンス』@国立新美術館

ポール・セザンヌ。彼の作品には、熱に浮かされたような迸りや、抑えきれない衝動というものは微塵もない。見えるのは、絶え間ない努力と、あくなき探究心。禁欲的で理知的。公式サイト:403 Forbidden銀行家の長男に生まれ、大学にも入った。だが、芸術への…

色彩に入り込む―藤ちょこ個展

中野「pixiv Zingaro」で開催中の藤ちょこ個展を鑑賞。公式サイト:藤色 Fuji Shiki 2012 ―画に虹を宿らせて。― | pixiv Zingaro彼女の個性は、作品世界や、絵のラインよりも、むしろ「色彩」にあると思われる。まるで虹を見ているかのように、世界の光が要…

「ルドンとその周辺−夢見る世紀末展」@三菱一号館美術館

去年の京都旅行の際に「えき」KYOTOで開催していた「ルドンとその周辺−夢見る世紀末展」の巡回展が東京に来たので、三菱一号館美術館に鑑賞に行った。公式サイト:ルドンとその周辺―夢見る世紀末|三菱一号館美術館 グラン・ブーケ収蔵記念本来はルドンと言え…

緒川たまきパリを撮る

日曜美術館「木村伊兵衛 天然色でパリを撮る」で司会の千住明がゲストの緒川たまきとパリへ。1954年にパリに撮影に行った木村伊兵衛は、現地ではロベール・ドアノーのサポートを得ていた。両者を仲介したのはアンリ・カルティエ=ブレッソン。なるほど、と思…

フェルメールからのラブレター展@Bunkamura

日本でまとまってフェルメールを鑑賞する良い機会。ということで、渋谷に行ってきた。公式サイト:今回出展のフェルメール作品は以下の3点。 「手紙を読む青衣の女」(アムステルダム国立美術館) 「手紙を書く女」(ワシントン・ナショナル・ギャラリー) …

歌川国芳展@森アーツギャラリー(前期)

江戸時代末期に活躍した歌川国芳の作品展(前期)に行った。 公式サイト:404 Not Found150年も前、というより、たった150年前。国芳の作風はとてもキャッチー。「相馬の古内裏」のような武者絵の迫力も凄いし、一方で、猫や金魚を擬人化したシリーズはほの…

堀江ケニー『Another Heaven』@初台Zaroff

初台の画廊・Zaroffに堀江ケニーさんの『Another Heaven』を見に行く。画廊公式サイト:画廊 珈琲 Zaroff / Gallery Coffee Zaroff古い民家を改装したような建物で1階がカフェ、2階が画廊。階段を登ったはずなのに、2階は実に「アンダーグラウンド」な世…

人はなぜY字路にひかれるのか

Y字路が僕をひきつけるのは、「どちらを取るべきか」という二者択一を迫られている状況を連想させるからではないかと思う。 90年代的な相対主義でいえば、どちらを選んでも正解はないということでY字路の手前で留まることになるだろう。 ゼロ年代的な決断主…

プラド美術館所蔵「ゴヤ―光と影」

国立西洋美術館の「ゴヤ―光と影」を観た。公式サイト:Goya2011.com画家としてのゴヤの生涯は確かに「光と影」という言葉が相応しい。宮廷画家として数々の肖像画を残した「光」の部分と、戦争の悲惨さや教会の腐敗等を批判的な精神で描いた「影」の部分と。…

ウィリアム・ブレイクとの邂逅

9ヶ月前、僕はこう書いた。 僕は明日から、ロンドンに行ってきます。ギャラリーでウィリアム・ブレイクの作品を見る時間まではなさそうですけど。 (蘇る記憶〜『さよならもいわずに』 - Sharpのアンシャープ日記) 予想通り、2月の渡英時にウィリアム・ブレ…

『額の中の』を鑑賞

YUKIFUJIさんの『額の中の』を鑑賞。彼女の作品を観るのはほぼ半年ぶり。リンク:第54回店内ギャラリー「額の中の」|秋葉原中古買取センター|店舗ブログ・店舗情報|カメラのキタムラ額の中に少女を封じ込めているようなアイデアが秀逸。撮影しているYUK…

榎忠展―美術館を野生化する@兵庫県立美術館

神戸ビエンナーレの会場の一つである兵庫県立美術館で開催している「榎忠展―美術館を野生化する」は、とても印象的な展示だった。公式サイト:兵庫県立美術館-「芸術の館」榎忠展 美術館を野生化する 2011年10月12日(水)〜11月27日(日)機械の持つ重厚な存在…

4会場開催は楽しい―神戸ビエンナーレ2011

神戸ビエンナーレに行った。4会場を電車、バス、船、徒歩で移動するのでほとんど半日がかり。だが、本当に見ごたえのある内容。同じ港町の横浜トリエンナーレと比較すると、個人的には神戸ビエンナーレの方が楽しめた。この二つを同じ時期にハシゴできたの…

「モダン・アート,アメリカン」@国立新美術館

「モダン・アート,アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―珠玉のフィリップス・コレクション―」を国立新美術館に見に行った。公式サイト:アメリカ初の近代美術館【フィリップス・コレクション】に癒されてかつて新興国だったアメリカ。西欧の影響…

足りないのは予算か挑戦か―横浜トリエンナーレ

横浜トリエンナーレ(総合ディレクター逢坂恵理子)に行った。6年前にあれだけ僕を熱狂させたお祭りはどこに行ってしまったんだろう(「日常からの跳躍」〜横浜トリエンナーレ2005 - Sharpのアンシャープ日記)。それくらいのつまらなさだった。もちろん、…

退廃的な夜―「トゥールーズ=ロートレック展」(三菱一号館美術館)

何がアートで何がコマーシャルかを分けることはときには極めて難しい。ロートレックのリトグラフを前にすると僕はいつもこのポイントで立ちすくんでしまう。公式サイト:「トゥールーズ=ロートレック」展|三菱一号館美術館所蔵コレクション<Ⅱ>19世紀末のパ…

欧米から見た日本―「もてなす悦び展」(三菱一号館美術館)

三菱一号館美術館で開催している「もてなす悦び展」を鑑賞した。公式サイト:三菱一号館美術館19世紀後半の欧米で花開いた「日本ブーム」(ジャポニスム)をテーマとする食器を中心とした特設展。ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館を彷彿とさせる内容…

水野健一郎『KATHY』展

神宮前のTOKYO CULTUARTにて開催中の水野健一郎『KATHY』展を鑑賞。水野健一郎公式:マイファイ(仮)ポップアートとジャパニメーションの融合、それに少々ブラックなフレーバーといった感じ。アニメ的な表現が随所に散見されたが、表面的な導入ではなく、自…

『RAINY SEASON』を鑑賞

藤原ゆうなさん(だらだら写真日記)の簡易個展『RAINY SEASON』を鑑賞。確かなセンスと技術を感じさせる作品だった。モデルの鞠弥撫子さん(Dianthus-BLUE)も雰囲気があった。 (MODEL:鞠弥撫子、PHOTO:シャープ、CAMERA:EOS 5D + EF50mm/F1.4 USM)

これは壮観―『絵師100人展』

UDX2階のアキバ・スクエアに『絵師100人展』初日を観にいく。テーマは「日本」。公式サイト:絵師100人展入場するといきなり蒼樹うめ作品が。これもまどマギ便乗なのかと、まどか厨的なことを思いながら巡回スタート。いとうのいぢ、作風変わったよな、とか…