大人になってく私を〜 Task have Fun 全国ツアー 2019 〜Anytime Tasks〜 in 中野サンプラザホール

大人になってく私をあなたはどう思うかな
こうやってずっとそれでもずっと
一緒に居られるのかな
(Task have Fun「マーブル色の気持ち」)

かつてプリティグッド!という超絶美少女アイドルグループがあった。

6人のメンバーが全員美形でスタイルが良いという奇跡のようなグループ。

そこに熊澤風花がいた。

彼女はグループ最年少で、まだ「ティーン」にもならない年齢だった。でも、「幼さ」を感じさせるというよりは、「大人っぽさ」を感じさせた。

僕が初めてプリティグッド!を見たのは、池袋の某CDショップで、ステージは6人のメンバーも持て余すくらいに小さく、マイクも有線が3本のみでそれを6人のメンバーがリレーするという環境。

コードが絡むことを避けてフォーメーションダンスもできない、というハードな状況。

言葉を選ばずに言えば「美少女の無駄遣い」という印象を持った。

「もっと広いステージなら」「マイクを気にせずダンスできる環境なら」「もう少し人数が少ないなら」と・・・

あれから時が流れ、プリティグッド!はメンバーの卒業を経て結局解散。

熊澤風花は、Task have Funの3人の中の一人として活動を続け、そして、今日ツアーファイナルの中野サンプラザのステージに立った。

アイドルブーム華やかなりし2010年代前半。

「目指せ武道館」が標語となり、多くのライブアイドル日本武道館でのワンマンを目指した。

だが、10年代後半になると、いわゆるメジャーでないアイドルが武道館に辿り着くのは相当に難しいという現実に直面する。

今や、中野サンプラザのステージに立つのも容易ではない時代。

Task have Funのメンバーが結成から3年半でサンプラザでのワンマンを敢行するというのは、多くのライブアイドルやアイドルファンにとっては「希望の星」とも言えるだろう。


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いつものTaskのワンマンは、舞台装置の仕掛けで驚かせるというというよりは、メンバーのパフォーマンスで魅せるという「中身で勝負」というストロングスタイル。

だが、今日は違った。

ステージには2段のセットが組まれ、しかも一段目は「熊」「白」「里」というメンバーの名前が書かれた扉まで付いている。

おなじみのOPSEが始まってもメンバーは登場せず、正面のスクリーンにメンバーの映像が映し出されるのみ。

期待が最高潮に達したところで、デビュー曲「TASK」のイントロが始まると、それぞれの扉からメンバーが飛び出してくる。

凄い。

ステージ後方横に火柱、ステージ手前にスモークの柱と、Task史上最高に手の込んだ演出。

これだよこれ。

中野サンプラザという大舞台に負けないだけの豪華装置、豪華演出。

そして、メンバーの大きなパフォーマンスと、客席のコール。

こういうTaskが見たかった。

熊澤風花がアイドル人生6年で到達した晴れ舞台。

ヘッドセットで「マイクを持つ」動作から解放され、両手両足をフルに使って踊るパフォーマンス。

ステージの2階も使い、「ラブグリッター」「部屋の中の天使」「インダ ビュリフォデイ」とライブは最初からハイテンション。

「幻想セレナーデ」では、照明も妖しい雰囲気を醸し出し、セクシーさと情熱がいつもよりも強調される。

いい・・・・

「D-A-S-H!!~イケナイコトカシラ?」「全開!Teenage Riot!!」「「キメ」はRock You!」と、ロック色の強いナンバーで盛り上がったところで、企画コーナーへ。

次に歌う曲はメンバーソロ曲だが、まだ決まっていないということで、音量測定器を用意してファンの声の大きさで決めるということに。

お手本のような白岡今日花の「きょうかー」が101dB、かわいさを前面に出した熊澤風花の「ふーかー」が103dB。

そして最後は里仲菜月。

ソロ曲「僕はマグネット」の紹介を始める彼女は「磁石ってSとMがあるじゃないですか」という天然ボケをいきなりかませて会場を爆笑の渦で包む。

「里仲のS、菜月のN。SとNだから磁石なんですよ」と言い直してからの「なつきー」は脅威の105dB。

天才。

ちなみに、僕はこの「僕はマグネット」が大好きなので、ここで叫んだ中の一人。

大きなステージの2階でソロで歌って踊るサトナカ最高だった。

初披露の時からすると100倍くらい進化していて「これよこれ」と思わずにはいられなかった。




ここからはライブ後半。



新衣装に着替える、ということで、最近のライブアイドルの定番なら「メンバー退場→前撮りした映像がスクリーンに→新衣装で登場」となるが、そこは一筋縄ではいかないTask。

なんとステージ上での早着替えということで、ダンボール箱、消火器、等身大タオルなどをスタッフが順番に持ってくるという茶番の後、なんと、ステージのドアの中に入り、そこから顔だけの見える小窓を開けたところで、早着替え。

昔のテレビのバラエティ番組みたいなノリだった。

5分くらい、マイクからメンバー同士を掛け合いが続いたり、客席に手を降ったりする時間が続いて、新衣装のメンバーが登場。

眩しい。

純白。

アイドルはこうでないと。

コーディネートはこうでないと。

ということで、王道アイドル感満載の衣装で、新曲を初披露。


新曲は前作「逆光」にも通じるメロディアスなもので、言わずともわかる「すみだしんや」節。

今年解散したつりビットの不朽の名曲「真夏の天体観測」にも通じる世界観。

僕は最近のTaskの楽曲派路線を本当に歓迎していて、この新曲もいきなり好きになった。


新曲のタイトルは、チケット番号の抽選で選ばれた会場のファンが決めるということで「星フルWISH」になった。

僕が選ばれていても「星フルWISH」にしただろうというくらい言葉のリズム感がいいし、漢字+カタカナ+英語という言葉の並びもおしゃれ。

「星フルWISH」、これから広まっていってほしいなと思う。

ここからは「じっくり聴かせるTask」へ。

ステージ上からミラーボールが降りてきて、ホール中にキラキラとした光を放つ演出の「彗星のステージ」。

すみだしんやによるミドルバラード「逆光」。

そして、「大人になる不安」を歌った「マーブル色の気持ち」。

大人になってく私をあなたはどう思うかな
こうやってずっとそれでもずっと
一緒に居られるのかな
(Task have Fun「マーブル色の気持ち」)

2階ステージで落ちサビを歌う熊澤風花のボーカルに涙した。

彼女は歌唱力でグイグイ勝負するタイプのアイドルではないけれども、この日は、自分の想いと楽曲のメッセージが完全にシンクロしたのだろう。

終わってからしばらく拍手が鳴り止まない。

大人になってく君もいいものだ…

そんな圧巻のステージだった。




そしていよいよライブは終盤へ。


「けどハニカミ」のイントロでメンバーが曲を止めるお馴染みの茶番が来てニヤニヤしていると、3度目にはなんと正面スクリーンにサングラスの社長が登場。

先日の渋谷でのオープンカーの「パレード」での運転でも強烈な存在感を放っていたが、今日も怪しい業界人感たっぷりで「テーブルクロス引きを成功させないと歌わせない」という謎のTaskを課した。

最年長・白岡の失敗の後を継いだ最年少・里仲が見事テーブルクロス引きを成功させると、ここからラストスパートの号砲。

「けどハニカミ」、「ギュッと、チュッと」、「キミなんだから」と、振りコピとコールの嵐。

客席の僕も隣の人と肩を組んだりして。

いやいつ以来だろう、こんなに熱いライブは。

そして最後、待ちに待ったアンセム「3WD」だが、曲紹介では「78WD」。


なんのこと?と思っていると、舞台袖から続々とキッズダンサーが登場。

その数75名。

メンバーと合わせて78WD。

今や「3WD」はライブアイドルファンの間ではすっかりアンセムになったけれども、この先、より広い支持を得て広がっていく予感を感じた。


アンコールでは、いくつかの重大発表が。

まず12月1日に公式ファンクラブがスタート、来年3月から春の全国ツアーが開催されること、ツアーファイナルは5月1日に全曲バンドで東京・TSUTAYA O-EASTで行われること。

Taskのロック調の楽曲は、生バンドとの親和性が高いと思っていたので、いよいよ来たかという感じ。

これは行きたい。

白岡の「Taskはどんどん大きくなっていくけれども、これからもそばで応援してほしい」というMCに続いて、「いつだって君のそばで」と「キミなんだから」。

ここでまた75人のキッズダンサーが登場して、キレッキレのダンスでライブに華を添える。


最後の挨拶では、里仲が「この1年間つらいことのほうが多くて、体調的に追い付かなくなってしまったことがあった。二人には感謝している」と涙を隠さずに語ると、熊澤ももらい泣きしながら「最初はビジネスパートナーだったけれども、話す機会がどんどん増えた。二人とも本当に真面目で、Taskをどうしたいか、どうなりたいかを考えていて、この先も自分たちらしくいようと話した。アイドルをやるならずっと2人と一緒がいい」と話した。

白岡が「アイドルに向いていない私がここまでやって来たのもこの3人だから。2人になってもやらないし、4人になってもやらない。それぞれが悩んだ一年だったけれども、私はずっとこの3人で続けたい」とまとめる。

そして「TASK」へ。

「全員中学生」としてデビューしたTask have Funも、今年メンバーが全員高校生となった。

それぞれが「大人になっていく」道を真剣に考える中で、悩むことがないわけがない。

そんな貴重な時間をこのTask have Funに費やしていることは本当に尊いと思う。

子どもと大人が混じり合ったような「マーブル色」の彼女たちをこの先も見守って、応援して行きたいと思う。


おまけ。

終演後には無料ハイタッチ会があって、全員に感想を伝えることができた。

無料が申し訳ないので、ガチャ回したよ。

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里仲さんダブったけど、次の日に里仲大好きアイドルの某SSさんにプレゼント。

うん、Taskは確かに「希望」になってる。若いアイドルにとっても。


(セットリスト)

1 TASK
2 ラブグリッター
3 部屋の中の天使
4 インダ ビュリフォデイ
5 幻想セレナーデ
6 D-A-S-H!!~イケナイコトカシラ?
7 全開!Teenage Riot!!
8 「キメ」はRock You!
9 僕はマグネット
10 星フルWISH(初披露)
11 彗星のステージ
12 逆光
13 マーブル色の気持ち
14 けどハニカミ
15 ギュッと、チュッと
16 キミなんだから
17 78WD(3WD)
<アンコール>
en1 いつだって君のそばで
en2 キミなんだから
en3 TASK

一瞬一瞬でも強く輝いてる〜Fullfull Pocket One-Man Live「WHAT IS POP?」@東京キネマ倶楽部

どんなにそう高い壁だって 君となら超えていけるんだ
一緒に駆け抜ける日々は 一瞬一瞬 でも強く輝いてる
(Fullfull Pocket「moment」)

2010年代前半、数多くのライブアイドルグループが生まれ、アイドルシーンは文字通り「百花繚乱」の様相を呈した。

気軽にライブを観に行ける劇場公演やCDショップでのイベントが平日休日を問わず開催される中、僕は「今日はどこに行こう?」と迷いながら現場を回した。

いい時代だった。

今にして思えば。

僕がこれまでに通った現場数では、ハコイリ♡ムスメ、アイドルネッサンス、つりビットがトップ3だけれども、アイドルネッサンスは2018年に、つりビットは2019年にそれぞれ解散、ハコムスも2019年秋に活動休止に入ってしまった。

2010年代のライブアイドルシーンに僕が求めていた「楽曲が良くて」「ライブが熱くて」「メンバーがかわいくて」「特典会が楽しい」という正統派アイドルグループは今やものすごく少ない希少種になっている。

そこでFullfull Pocket。

Fullfull Pocketになってからは4年だけれども、前身のからっと☆から通算すると7年。

文字通り、楽曲派()アイドルグループとして2010年代をサバイブしているグループ。

ということで、フルポケのワンマンに行ってきた。

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会場は東京キネマ倶楽部

今までは、節目のワンマンでは表参道や白金高輪などの場所を選んできたフルポケが初めてワンマンを開催する会場。

鶯谷という場所がグループのイメージに合うかななどという余計な心配は、会場に入ってみるとすぐに消えた。

「POP」「CLASSIC」というイメージをよりゴージャスに見せてくれそうという期待に変わった。

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フルポケのライブは「全身で楽しむ」ことができるもので、前回・前々回のワンマンではいずれもVIPチケットを取って最前エリアで沸き上がった。

今日は趣向を変えて「全体をじっくり観よう」と2階の「プレミアムシート」を確保。

下手寄りの正面からメンバー全員を見られる場所から鑑賞することした。

開演から「シンデレラPOP」「Pop Classic」と、今日のライブのタイトル「WHAT IS POP?」の答を提示するようなセトリ。

2019年のアイドル楽曲大賞のランキングで健闘しそうな「音nanoco」も含めて、このグループが「ポップ・ミュージック」を追求していることがよく分かる。

そして初恋メドレー。

<恋愛>は、フルポケの音楽世界を構成する重要な要素、とばかりに「ドットアオゾラ」「フタリアオゾラ」のペア、冬の恋の芽生えを歌う「ときめきマフラー」から「きみがだいすき」をメドレー構成で。

ワクワクとした気持ちを味あわせてくれる楽曲に、メンバーのボーカルと観客のコールの応答が彩りを添える。

2階席から眺めるその光景は文字通り「古き良き2010年代の全盛期のライブアイドルシーン」そのもの。

今は、ここ以外ではなかなか楽しめないものになってしまっているもの。

「フルポケは、10年代の最後に残った正統派アイドルグループかもしれないな」と思う。

ここでメンバーがステージから一旦退場。

正面スクリーンにはメンバーへのインタビュー動画が映し出され、「POPって何?」という質問にメンバーが答えていく。

「POP」って分かるようで分からないというか、説明できそうでなかなか難しいと思うけれども、どのメンバーも自分の言葉で語っているのを見て、フルポケのグループのパフォーマンスの方向がブレない秘訣がそこにあるのかなと感じる。

白系のドレスの新衣装に着替えたメンバーが2階のサブステージから一人ずつ登場。

眩しい。

プリンセスみたい。

衣装を含めたこういうルックスも、フルポケの「王道感」をさらに増している。

そこで披露される楽曲は、アレンジがロック調になった「darlin'」、エレクトロフレーバーの入った「flower flower」、そしてアコースティックギターの情熱的なリフが印象的なラテン調「プロットガール」。

アレンジが変わっただけではなくも、ダンスの雰囲気も変わったので、全く新しい曲に生まれ変わったように聴こえる。

僕はオリジナルの「flower flower」のギターポップな感じが物凄く好きなんだけども、このリアレンジ版はこれはこれで10年代後半の音がするというか、フェスなんかの大きなステージで聴いたら映えそうだな、と感じた。

ここで「5人目のフルポケ」(勝手に命名)こと、サウンドプロデューサーの多田慎也が登場。

ピアノの演奏に合わせて、メンバーが歌い上げていくというアコースティックパートへ。

「今を生きる」「真昼の花火」を、アコースティクバージョンならではのボーカルの表現力で歌い上げる。

ピアノだけでの伴奏でメンバーの歌声を改めて聴くと、みんな声量があることを実感する。

でも、単なるパワープレイではなく、繊細にピアノ・ピアニッシモで表現するところはぐっと聴き入るような歌声に、そして、ハーモニーを聴かせるところではお互いに呼吸を合わせるような息遣いに。

「ああ、今俺は音楽を聴いている」「猛烈に音楽を楽しんでいる」と実感する。

いつものライブよりも、歌詞の意味を感じて・・・、あれ・・・涙が出てくるよ、という感じ。

これが音楽のチカラ。

ライブ後半は、「カンフー乙女」「キラメキサマー」「ロミジュリ」「流星Flashback」とエモーショナルな曲が続き、会場のテンションもどんどん上がる感じ。

アイドル音楽は、ジャンルとしてはとっくの昔に「なんでもアリ」になっていて、今では「どんな変化球を投げるのか」という感じになっているけれども、フルポケは、あえていてば「ど真ん中にストレートの豪速球で勝負」という王道路線。

逆に言えば、そういう王道アイドルソングに愚直なほどにこだわるからこそ、熱烈な支持を受けているのだろう。そう思う。

次は、多忙の新曲披露。

「桃色セツナ」と曲フリをされた後、メンバー4人が円形に陣取り、広瀬みのりの音取りに宇敷陽南、桜木ゆふがハーモニーを重ねる。

音程がちょっと微妙に聴こえたのは僕だけではなく、広瀬がやり直しを要求して2度目の音取りへ。

ハーモニーにが綺麗に重なったところで、石井栞がリードのメロディーをソロで歌い出し、そこにアカペラで三声ハモが重なる。

美しい。

そして、切ない。

歌い出しの後にオケが入り、正面スクリーンにはデザイン化された歌詞が流れる。

「桃色セツナ」は。秋冬のしっとりとした情景の中で終わった恋を想うという、フルポケには珍しいラブバラード。

雰囲気的には小泉今日子の「木枯らしに抱かれて」のような切なさ。

間奏では長めの台詞(ポエトリーリーディング)もあって、メンバーの少し成長した姿を感じさせる。

決してライブで「沸かせる」ようなタイプの曲ではないが、アイドルライブの楽しみ方はそれだけではない。

じっくりと聴き入ることで楽曲の世界に入るという味わい方もある。

そんな時間だった。

拍手喝采の後、この曲を含むシングルを来年リリースすることが告知される。

多くのアイドルが消えていった2019年を超えて、2020年にもフルポケの活動が見られる僕らは、やっぱり「恵まれてる」と思うべきだろう。

ラストスパートは「moment」「自分革命」、そしてアンコールで「おひさまスプラッシュ」からの「SINGER-SONGダイバー」で、フルポケのワンマンライブは幕を閉じた。

最初から最後まで一貫して楽しくて、それが何よりも「音楽の楽しさ」がずっと通奏低音のように流れていて、こんなライブはなかなかない。

終演後の特典会には行かなかったけれども、プレミアムシートの特典の写真集「#オフポケ」にメンバーからのメッセージを頂いていて、心満たされた気持ちで帰路に着いた。

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そう言えば、フルポケは新メンバーを募集していたけれども、今日はその辺の「新メンバー」「新体制」に関する発表や匂わせは特になかった。

これだけ現メンバーのスキルが高くなってしまうと、なかなか新メンバーを入れるのも難しいのかもしれない、と勘ぐったりしてしまう。

まあでも、舞台裏の詮索はこのくらいにしておこう。

今はただ、2010年代をサバイブした王道アイドルのフルポケのライブがこれからも見られるという、その事実だけでも僕らは希望を感じていけるのだから。

(セットリスト)

1 シンデレラPOP
2 Pop Classic
3 音nanoco
MC自己紹介
(「初恋」メドレー)
4 ドットアオゾラ
5 フタリアオゾラ
6 ときめきマフラー
7 きみがだいすき
動画〜衣装替え
(リアレンジ)
8 darlin'
9 flower flower
10 プロットガール
多田慎也ピアノ)
11 今を生きる
12 真昼の花火
MC
13 カンフー乙女
14 キラメキサマー
15 ロミジュリ
16 流星Flashback
17 桃色セツナ(初披露)
MC告知
18 moment
19 自分革命
(アンコール)
en1 おひさまスプラッシュ
en2 SINGER-SONGダイバー

確かにほら輝いている〜桜エビ〜ず 1stコンサート“ALL OUT”@日テレらんらんホール

夢の先に続く道の途中で
今私たちは輝いている
今確かにほら輝いている
(桜エビ〜ず「Believe」)

新宿BLAZEでのワンマンをソールドアウトさせ、完全に勢いに乗った感のある桜エビ〜ず。


今日は、初めてのホールコンサートということで 「1st コンサート」と銘打たれ、持ち曲を全曲披露するということでタイトルも“ALL OUT”と命名されたいわば大一番。

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しかし、日テレらんらんホールは、いまの桜エビ〜ずの勢いを受けとめるには小さすぎる。

先行販売では落選祭り、一般販売はわずか1分で完売という凄まじさ。

3年くらい前には桜エビ〜ずのワンマンは1、2人くらいしか知り合いのいないアウェイ感があったけど、今日は会場内外で100人くらいの知人が来ていて、今や「ここに来れば知り合いに会える」場所になった。

売れてる現場ってこうだよね。

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そんな売れてる桜エビ〜ずだけに、僕の確保できた席も、2階のサイド、しかも2列目という限界ポジション。

「関係者席だから(震)」と自虐していたら、まあ割とガチで関係者っぽい人がいるエリアだった。

開場から正面のスクリーンには動画が映し出され、エビ〜ずライトファンや新規にも、彼女たちの<物語>に共感が持てる仕組みになっている。

そして、開演時間。

新衣装で登場した6人は眩しいばかり。

そして一曲目は「Believe」。

初期の名曲で、心を打たれるメロディーと歌詞。

夢の先に続く道の途中で
今私たちは輝いている
今確かにほら輝いている

諦めず、疑わず、ずっと信じ続けて進んできた道で、今の桜エビ〜ずは確かに輝いている。

初期曲の「はっぴースキップ☆ジャンプ」でジャンプしたり、「オスグッド・コミュニケーション」でウリャオイしたり、とにかくステージから遠い席でも、スタンディングで、サイリウム降ったりして、熱く盛り上がる。

メンバーもこっちに目線を配っているような感じが伝わってきて、オオバコのライブでも「桜エビ〜ずの音楽を伝える力は凄い」と思う。

これならもっと大きいホールに行っても、みんな楽しめそうだとも思う。

大掛かりなセットもなく、ギミックもなく、茶番もなく、大物ゲストもない。

ただ、ステージの上で最高に楽しい音楽が奏でられている。

綺麗なフォーメーションダンス、パワフルな歌声、そしてキラキラの表情。

強いて言えば、レーザー光線の演出が彼女たちのパフォーマンスを引き立てていたけれども、それだけ。

いい楽曲があって、いいパフォーマンスがあれば、余分なものはいらない。

ただただ、桜エビ〜ずのメンバーの生み出す音楽と、一体となって楽しむファンのコールがあれば、それで十分。

そんな感覚。

新衣装のスカートはターンで美しく広がって残像を描くタイプのもので、彼女たちのダンスをますます美しく見せる。

メンバーが一旦ステージを出ると、正面スクリーンには再び動画が。

一人一人が今日のコンサートにかける思いを語る。

自分の言葉で。

みんな大人になったな、という保護者目線で見守るんだけれども、そこまで突き放せない熱いものが込み上げる。

後半は最近の曲の比率が高まっていく。

去年の「アイドル楽曲大賞」で僕が投票した名曲「灼熱とアイスクリーム」、そして切なさもにじむ「ねぇ、ローファー。」「おねがいよ」。

桜エビ〜ずというと、どうしても「エモい」「熱い」イメージが強いけれども、今日の全曲セトリは本当に緩急の付け方が巧み。

ソロパートでの表現力の確かさがあってこそだと思うけれども、何度か鳥肌が立ってしまった。

終盤の「タリルリラ」あたりで、ラストスパートのブーストが一気にかかり、「エビ・バディ・ワナ・ビー」「キラキラ」、そして「それは月曜日の9時のように」。

もう「ステージと客席が一体となって」どころの感じではなくて、一体となってそれが一緒にぐるぐる回ってかき回させるというか。

ライブハウスの中だとそのかき回される感覚が濃厚なんだけれども、今日はホールでもそんなライブができてしまうという今の桜エビ〜ずの実力の高さをひしひしと感じさせてくれる。

アンコールはやはり初期曲の「僕らのハジマリ」で始まり、最新曲の「can't go back summer」まで一気に飛んで、最後は桜エビ〜ずを代表するアンセムになった「リンドバーグ」。

なにこの大団円感。

最高の桜エビ〜ず、最高の「リンドバーグ」…

最後に一人ずつ今日の感想やこの先への意気込みを語る。

「ここにいてもいいのかな」と悩んだというみっぴ、「もっと存在感のあるメインディッシュになりたい」という茜空、「最初歌もダンスもダメでやめよう思った」と吐露するりじゅ。

どの言葉にも嘘がない、というか、5年間ずっと続けてきたからこその重みを感じるものばかり。

挨拶の最後を締めくくった水春はこう語った。

今はアイドルが売れることが難しい時代だけれども、桜エビ〜ずがそれを破っていきたい。
こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、スターダストでいえば、ももクロさんの上を目指したい。

「ここからさらに上を目指す」という彼女の意気込みがこの上なく伝わってくる言葉。

見透かされたような気がした。

「ハコも大きくなったし、ファンも増えたから、もう僕の出る幕はないな・・・」などと少しでも思った僕の心を。

これは、もうこの先の桜エビ〜ずも見逃せない。


というところで「いい1stコンサートだった」と終わろうとしたところで、藤井校長が出てきて、メンバーへの労い、ファンへの感謝を伝えた後、まさかの「グループ改名のお知らせ」。

「羽化」から取ったという「ukka」に名前を変えると発表した。

「桜エビ〜ず」というグループ名は、まあ確かにダサさもあるし、「エビの妹」という感じが拭えないけれども、愛着がある名前だけに寂しい感覚は否めない。

しかし、改名に込めた校長の想いを受け止めたいと思う。

「叩き上げの実力派が上り詰めた到達点」を見せてくれた桜エビ〜ず。

ukkaに名前を変えても、東名阪仙福のツアーを敢行、と決して手を緩めることなく前へ前へと進んでいく。

新しいステージに入った6人をこれからも応援したい。

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ライブ後、外に出たら綺麗なイルミネーションの光景が僕を迎えてくれた。

この先、もっと色々な光景をukkaと見ていけるといいな。

(セットリスト)

1 Believe
2 はっぴースキップ☆ジャンプ
3 急なロマンティック
4 オスグッド・コミュニケーション
5 みしてかしてさわらして 
6 初恋模様
7 こころ予報
8 わたしロマンス
9 Magik Melody
10 帰れない!
11 嘘とライラック
12 ボクエール
13 360°シューティングガール
14お年頃distance
15 灼熱とアイスクリーム
16 せつないや
17 214
18 ねぇ、ローファー。
19 おねがいよ
20 グラジェネ
21 まわるまわるまわる
22 さいしょのさいしょ
23 タリルリラ
24 エビ・バディ・ワナ・ビー
25 キラキラ
26 それは月曜日の9時のように
(アンコール)
en1 僕らのハジマリ
en2 can't go back summer
en3 リンドバーグ