舞台が大きくなると小さく見えるアーティストと、大きくなるアーティストがいる。さて、ドロシーはどうか。
仙台最大のキャパを持つホールとして有名な仙台サンプラザで行われた「ダカラジ」のイベントにドロシーが出演するということで足を運んできた。
ホールは3階席まであり、日本武道館を小ぶりにして新しくしたような会場。最大3,000人を収容できる会場の半分以上が埋まっている印象。
「ダカラジ」はNHKと民放が主催するラジオの普及イベント。この日の出演者は、ドロシー、しずる、MONKEY MAJIK。
ラジオ局のアナウンサーとしずるによるコントに続いてドロシーが登場。白と紺の清楚さを感じさせる衣裳。
最初に「デモサヨナラ」から。会場のファンの皆がドロシーを知っているわけではなだろうが、いまやアンセムとなったこの曲は、いわば名刺代わり。
いつもよりちょぴりフォーマルで、だが堂々としたパフォーマンス。客席のドロシーファンが「オレモー！」と叫ぶ。俺も！
終盤、いつもみもが「みんな、大好き―！」という台詞を言うところは、今日は何もなし。表情を見ていたが、意図的に品位を演出したように思えた。
MCで一人ずつ自己紹介。白戸佳奈が「ドロシーリトルハッピーという名前ですけど、長いのでドロシーって覚えてください。今日は名前だけでも覚えていって頂ければと思います」と語る。
MONKEY MAJIK目当ての観客が多いなか、正しい自己認識に基づく謙虚な態度だと思う。今日は「ドロシーのステージっていいね」という良い印象を持って帰ってもらえればいい。
次に「12月に発売予定のミニアルバムから」というさりげない告知に続いて「In my life, For my life」。自分のスタイルを貫く宣言にような曲だが、麻里ちゃんの歌声がホールに響く。音響が良くて、小さい箱よりも歌うことの喜びをかみしめているように見える。
他のメンバーのコーラスも心地良い。この曲もサビは３声でハモっていると思うけど、完成度が日に日に高まっていると感じる。
そして、なんといっても、間奏のこうみんのダンス。ドロシーの表現の主流とは少し異なる、自我を解放するような表現。ストロボライトの断続的な点滅で、キレッキレのダンスがぐっと引き立つ。
続いて「ストーリー」へ。ドロシーのストーリーを見せるという意気込みを感じさせる歌とダンス。ドロシーの姿を美しく照らし出す照明のクオリティが高く、こんなにキレイなダンスだったのかと改めて感じ入った。るうちゃんの優雅に踊る姿が印象に残った。
MCで「私たちもラジオをやっていて、今夜放送もあるので、よろしかったら聴いてください」と佳奈ちゃんが語り、最後に「ジャンプ！」を歌って締めくくり。
環境が環境だけに会場中を沸かせるまでにはいかなかったが、ドロシーのパフォーマンスのレベルの高さを多くの観客に見せることができたと思う。
退場後、再びしずるとアナウンサーたちによるコントがあり、会場を練り歩いて質問を受け付けたりする時間。３階席からアリーナに質問するしずるファンの女子がいて、アツかった。この場面だけは撮影が許可された。
最後にMONKEY MAJIKがステージに現れ、圧巻のパフォーマンスを見せた。場内もほぼ総立ち。すごい光景だった。ドロシーも舞台袖からこの場面を見ていただろうから、いつかここでワンマンを、というくらいのことを考えてくれていたらいいなと思う。
アンコールでは、ドロシーを含む出演者が全員ステージに並んだ。
エンディングでは佳奈ちゃんが「こんな素敵な舞台に立たせてもらえて感激」と挨拶していたけど、ファンとしても、こんな舞台でドロシーを見せてくれて感激。
ドロシーのパフォーマンスは、舞台が大きくなればなるほど映えると思った。特に、照明や音響がしっかりしていると、伝えたいことが伝えやすくなる。
これからのドロシーの方向性次第だが、よりア―ティスト性を高めるドロシーには、ホールコンサートが似合うと確信した。11/24の六本木ブルーシアターでの＠JAM the Fieldは六本木でのホールコンサート。きっといいステージになると確信しているし、いつか、この仙台サンプラザでも、ドロシーのワンマンを観たいなと思う。
これは個人的なおまけ。女子高生のグループと偶然連番になった…と思ったら、泥thyのメンバーたち。何という偶然！ 一緒に盛り上がれて楽しかった。
（セットリスト）
1.デモサヨナラ
MC
2.In my life, For my life
3.ストーリー
MC
4.ジャンプ！
