大晦日の夜に放送された『猫物語(黒)』。全体の展開はほぼ原作に忠実で、羽川スキーにとってはまず満足水準を上回るアニメ化になった。特に、猫と人間の間を行き来する羽川翼の複雑で屈折したキャラクターを演じきった堀江由衣の演技力は素晴らしかった。圧巻と言ってもいい。
ただ、作画はもう少し羽川の魅力を引き出してもよかったのではないかと思う。絵の雰囲気はほぼ『傷物語』のテイストを踏襲しているが、キャラクターの可愛さをもっと前面に出してもらってもよかった。そして、ブラック羽川が肢体を晒すところはあまり色気がなかった。シリアスな展開ゆえに、お色気的なものは前面に出さないという方針だったのかもしれないが、ちょっともったいない。
今回の放送は約2時間。これがBDになると各48分収録で全2巻。お値段1万円越え。絵に描いたようなオタク向け商法だ。
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