それでもやはり毒林檎〜椎名林檎『三文ゴシップ』

椎名林檎の久々のソロアルバム『三文ゴシップ』を聴いた。


ジャズあり、ラテンあり、エレクトロありで、音楽の見本市のよう。例によって疾走感は凄まじいが、どちらかといえばロック色は薄まった。「非ロック」というべきか。BGMとして流しても耳に優しいとさえ感じる。むしろポップ。

三文ゴシップ

三文ゴシップ

いや、そんな音楽のカテゴリなどどうでもいい。よく聴けば、歌詞は相変わらず毒を忍ばせた林檎節だ。そして、耳障りの良い音の背後にもなんだか不穏な音のかけらが通奏低音のようにちりばめられている。これは紛れもなく椎名林檎だ。

そしてこの曲のタイトルの視覚的な並べ方も。

1. 流行
2. 労働者
3. 密偵物語
4. 0地点から
5. カリソメ乙女
6. 都合のいい身体
7. 旬
8. 二人ぼっち時間
9. マヤカシ優男
10. 尖った手口
11. 色恋沙汰
12. 凡才肌
13. 余興


実は最後に「14. 丸の内サディスティック (EXPO Ver.) 」も収録されているのだが、レイアウト上の理由だろう、ジャケットにはクレジットされていない。

個人的に一番気に入ったのは「色恋沙汰」。初期の大貫妙子の楽曲かと思ったよ。