BRICsもコモディティも危機

欧米や日本の先進国の株価の暴落が連日ニュースになっているが、BRICsともてはやされた途上国のファンドの下落の方が酷い。株と為替のダブルパンチのブラジルファンドなどは、一年前の3分の1だ(チャート添付)。

ロシア、ブラジルも似たような状況で、半分程度の下落となっている中国がまだマシな方。もともと、この「BRICs」というネーミングは、ゴールドマン・サックスが、2003年10月に「Dreaming with BRICs: The Path to 2050」(BRICsとともに見る2050年への道)という投資家向けレポートで初めて使用したもの。ゴールドマン・サックス自身は、BRICsへの投資はどうなっているんだろう。投資銀行のいつもの遣り口で、分厚いマージンを乗せて投資家に売ってハイ終了!なんだろうか。

今年3月のレポートで「原油は1バレル200ドル」と煽ったのも、ゴールドマン・サックス。原油を始めとするコモディティ相場に乗じて(個人的には「操縦して」と書きたいくらいだ)、投機的取引やデリバティブで相当荒稼ぎしたことは想像に難くないが、現在の損益ポジションはどうなんているんだろうか。

サブプライムローンによる米国金融危機」というけれども、BRICsコモディティ過剰流動性によってバブルが生じていた可能性が高い。それらの下落要因も加えると、今回の金融危機の大きさは、サブプライムローンをベースに試算しているよりも拡大することは間違いなさそうだ。