『バーフバリ』のS・S・ラージャマウリ監督の新作『RRR』が公開された。
『バーフバリ』は古代に題材を取った物語だったが、今回は20世紀初頭のイギリス統治下という時代背景。
神話の世界に近いとも言える前者のスケールの大きさに比して、今回はより現在に近いということでリアリティを追求するあまりに迫力不足にならないかという心配もあったが、実際に観てみると全くの杞憂だった。
(以下ネタバレ)
イギリス統治を徹底的に酷いものとして描くことで、その圧政下で理不尽な扱いを受ける男と、体制の側で治安維持を行う警察の男の二人を登場させ、その二人の偶然の出会いから、宿命の対決を描く。
ここで「休憩」を挟み、後半、その二人が対決から和解を経て、力を合わせて支配者であるイギリスの総督に立ち向かうというところで物語はクライマックスを迎える。
ド派手な音楽、カメラワーク、そしてキレッキレのダンス。
そして何よりも、終盤のカタルシス。
映画の見せ方には色々あるけれども、ラージャマウリは期待を裏切らない。
外したり、はぐらかしたりしない。
「これが観たかったんでしょう?」というものを、期待通りに、いや期待を超えて提示してくれる。
日本のヒーロー特撮作品もこういう風に作ってくれればなあと思ってしまった。