キリツグガタリ―『Fate/Zero』16話

ランサー組…

Fate/Zero』の聖杯戦争は、マスターとサーバントが魔力を使って対決するというバトルが中心ではない。「戦争とは何か」を批判的に考え抜き、己の信念を貫くためにあらゆる手段を駆使する切嗣。「聖杯とは何か」を懐疑的に考え続け、己の信念も見い出せぬままに根源に至ろうとする綺礼。この二人の譲れない対峙こそがこの物語の中心なのだ。

この点で、今回の切嗣の長い長い語りこそ、『Zero』の真髄だと思っている。勝者が誰かということなど二の次だ。厨二病的な語りだって? だがそれがいい。