期待を上回る熱量と完成度〜『トップガン マーヴェリック』(2022年、アメリカ、ジョセフ・コシンスキー監督)

トム・クルーズ出世作トップガン』の30数年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』。

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時代も変わったのに、世界観が変わらず、トム・クルーズのかっこよさも変わらず、まさに往年のファンが期待しているものを、その期待を上回る熱量と完成度で見せてくれた。

「若いもんには負けない」と「次世代に託す」のバランスが絶妙。奇策を用いずオリジナルファンの期待に正面から応えながら30余年の続編として時間の重みも意味を持つ作品。「トム・クルーズはいい歳の重ね方してるな、よし自分も」と同世代を鼓舞する。客層もそんな感じ。

いつまでもかっこいいスターということで、今テレビで放映している木村拓哉の『未来への10カウント』に思いを馳せていた。

カリスマ的イケメンが歳を重ねて若者を指導する立場になるという点は共通しているなと。

ただ、大きく違うのは、サイドストーリーの恋愛描写で引っ張るかどうかと、主人公が歯を見せて笑うかどうか。

その辺を衒いなく見せてくれるトム・クルーズには感謝しかない。

戦闘機がドローンにとって変わると言われる中でエースパイロットの意地を見せる作品と、劇場が配信に変わる動きの進む中で大スクリーンならではの作品を見せる作り手。

これがシンクロして感動もひとしおだった。