”楽曲派()”とは、「センスのいいナイスな音楽を求めて、貪欲にアンテナを張っている好奇心旺盛な人たち」のことである。
決して中学生好きのことではない。
さて、FAREWELL, MY L.u.v、グーグールル、クマリデパート、Fullfull Pocket、パンダみっくの5組が出演するパンダらの箱。
そう、これ、IDOL Pop'n Partyではなく、あくまでパンダみっく主体の5マン。
今日の渋谷REXは、そんな5組の音楽を楽しもうとする楽曲派()でパンパン。
FAREWELL, MY L.u.v
名古屋の中学生3人組。
音楽的には、R&B〜ソウルをベースにした横揺れ系。
これ見よがしなアップテンポのディスコサウンドではなく、ゆったりとしたバイブスに身を委ねるというノリ。
キレッキレなダンスとかパワフルなボーカルを武器にするというよりは、中学生ならではの「フレッシュさ」「等身大な感じ」が刺さるというか。
最後の曲に行く前に見せた茶番MCも楽しかった。
東京ではなかなか見られないので、フェアラブ見たさで今日ここに足を運んだ楽曲派()も多そう(僕もそう)。
グーグールル
ベルハー、MIGMA SHELTERなどの出身者を擁するグーグールル 。
MCもなく、トランス系の楽曲をノンストップで畳み掛け、フロアを熱狂させて行く実力派。
髪を振り乱し、衣装をはだけながら踊る様子に、興奮した女性ファンがたまらず最前センターまで突っ込んで来てエモかった。
クマリデパート
今日の出演者の中では、「パンダらの箱」などでのパンダみっくとの共演が一番多そうなクマリデパート。
羽井リサコ卒業、新メンバー加入(1名脱退)と、動きの大きい年だったが、現在の4人体制には安定感がある。
楽曲の世界観は新旧作品ともサクライケンタ節という感じだったが、ブクガのような「時代の先端を切り拓く」感はあまりなく、10年代の沸き系アイドルグループソングの王道感全開なのが面白い。
まあ、みんながみんなラウド系、グランジ系になってもある意味退屈なので、これは大いにアリ。
(セットリスト)
1 あれ?ロマンティック
2 二十四時間四六時中
3 愛phone渋谷
4 あいろにー!
5 アンサー!
Fullfull Pocket
トリ前はフルポケ。
フルポケとパンダみっくはジ・ズー主催イベントでの共演歴はあったけれども、現在の新生フルポケは、パンダみっくと親和性が高いと思っていたので、待ち望んだ共演。
フルポケらしい甘さがたっぷりなんだけど、サウンド的にはパンダみっくのハードなテイストと相当親和性があるね…#Nowplaying ロミジュリ - Fullfull Pocket (Pop Classic - EP) https://t.co/D2YR5CT4Hy pic.twitter.com/dde2SURRrY
— Sharp (@sharpc) 2018年9月17日
ステージに登場した時からメンバーの表情がキメキメのハードモード。
いきなりフルスロットルで「キミトシル」。髪振り乱してオイオイ叫んでしまう。
「きみが大好き」からの「ロミジュリ」の流れも最高。
この「ロミジュリ」のスネアドラムのチューンが、パンダみっくサウンドと似ているんだよね。
アウトロで、終わると見せかけたフェイクブレイクからのワンターンも最高。
前半がビターな味わいの展開だったが、後半で、フルポケらしい甘さを交えた世界観の「flower flower」「Pop Classic」を入れて来たセトリもよかった。
リーダーの石井栞は終始フロアからの反応に手応えを感じるような表情をしているし、広瀬みのりは特にソロパートで安定したパフォーマンスを見せてくれるし、桜木ゆふはライブが楽しくて仕方ないというのが伝わってくる。
そしてフルポケと言えば中学生メンバー。
宇敷陽南の「守ってあげたくなる」オーラを出している存在感はこのグループのフックになっているし、MCでの天真爛漫さも魅力的。
角田珠沙は、パンダみっくのメンバーと同じ中学二年生ということで、パンダの耳のようにお団子二つに結んだヘアスタイルで出演。
「かわいい!」と叫ばずにはいられなかった。
ほんと、今のフルポケのライブは楽しすぎる。
(セットリスト)
1 キミトシル
2 きみが大好き
3 ロミジュリ
4 flower flower
5 Pop Classic
パンダみっく
トリは主催のパンダみっく。
最初の曲がオリジナルの「ヒズムリアリズム」で、音源もダンスも2016年当時のもので、いきなり高まった。
「今夜がおわらない」「まみむめも」と、フロアの観客が一緒に楽しめる系の曲から、クールな「東京109」「好きな曜日はxx」「止まらないBGM」、そして、最後はみんな大好き「ネズミーランド」。
パンダみっくは、今や楽曲派()の「共通言語」になっていて、どの曲も盛り上がれた。
結成当時は、「全員小学生」だったグループが2年の年月を経て「全員中学二年生」になったが、グループの実力も大いに成長していると思わさせた。
(セットリスト)
1 ヒズムリアリズム(オリジナル)
2 今夜がおわらない
3 まみむめも
4 東京109
5 好きな曜日はxx
6 止まらないBGM
7 ネズミーランド
ということで、今日の「パンダらの箱」は、楽曲派()大集合だった。
派手なメンツという感じではなかったが、5組の出演者が楽曲的に粒ぞろいだったこともあってか、センスと感度の良いヲタク達で渋谷REXはパンパンになっていた。
できれば物販・特典会も行きたかったが、終演後のフロアがカオスになっていたので今回は見送り。
次回のパンダらの箱に関する企画は特に告知などはなかったが、こういうイベントをまた主催してほしいなと思う。