「部屋のCDが場所をとって困る」という話をすると、20代以下の人にはだいたい共感を得られることはない。
「ああ、ネットがなかった”あの時代”のコレクターなんですね」的な相槌を打たれることが多いのだが、その眼差しはかつて「レコードコレクター」に僕らが向けていたものと同じに見える。
しかし、CDが世界的に勢いを失う中で、アナログのレコードがリバイバル以上の意義を持って復権しているのは面白い傾向だと思う。
その傾向を分析するのはまた別の機会に譲るとして、その傾向に乗っかるように企画された昭和アイドルアーカイブスのLP「ぼくらのプレシャス」。
クラウドファンディングの出資者向けの完成記念イベントが都内某所で開かれた。
出演者は、さんみゅ〜・ハコイリ♡ムスメ・橘はるか。
橘が総合司会を務め、レコードを再生しながら、1コーラス終わったところで各曲を歌ったメンバーがコメントしていくという構成。
ロコモーションドリーム/田村英里子(さんみゅ~:木下綾菜、小林弥生)
「アニメの主題歌」
「楽しく歌うことを心がけた」
「曲中、「うふふ」という歌詞が出てきて、ふだんそんなこと言わないのでなんだかおかしくなった(笑)」
陽春のパッセージ/田中陽子(ハコイリ♡ムスメ)
「ハコムス4期生が加わった時の最初のライブで歌った曲」
「初々しい。当時のことを思い出す」
「等身大の学生像が描かれている」
「歌詞に「忘れて絵の具を借りたこと」というのが出てくるが、自分も同じ経験をしたことがある」
水平線でつかまえて/三浦理恵子(ハコイリ♡ムスメ)
「(4期生として入った塩野が)初めて歌い出しを任された曲」
「歌割りの決め方は、全員が通しで歌を吹き込んだのをプロデューサーが聴いて決めている」
「さんみゅ〜さんがそうしていると聞いて、その方法を取り入れた」
太陽の行方/ribbon(星里奈、野田真実、橘はるか)
「一度このメンバーで昭和アイドルアーカイブスのイベントで披露した」
「リズムを取るのが難しい曲」
ここで、オーディオ装置の説明がなされる。
今回も総額200万円超えという高価なセット。
ピュアオーディオの場合、装置もさることながら、リスニングルームを確保するのも大変なんだよね。
ここからB面へ。
花のイマージュ/岡田有希子(さんみゅ~)
「原曲とはだいぶアレンジが変わっている」
「大人っぽく、セクシーな感じ歌った」
スローモーション/中森明菜(橘はるか)
「語尾の伸ばし方が中森明菜さん独特のものがあって、それを真似することにこだわった」
「ジャケット写真も完コピを目指して、正面から風を当てて同じように髪がなびくのが撮れた」
哀愁のカルナバル/河合その子(ハコイリ♡ムスメ)
「歌い出しの星里奈さんの歌が大人っぽい」
「いつもより30歳くらい上の女性になりきって歌った」(星)
「ハモりとかコーラスも頑張った」(星)
Love Fair/岡田有希子(さんみゅ~:新原聖生、西園みすず)
「不思議な感じの曲」
「全部がサビみたいな」
「これも大人っぽいイメージ。A面はかわいい曲だけど、B面は大人っぽい曲揃い」
メンバーによる全曲コメンタリーのほかに、アザージャケットの写真の紹介や、メンバーメッセージの紹介も。
関西弁で電話する設定の野田真実ちゃんのボイスかわいすぎ。
そして、ファンへのメッセージを公開された寺島和花ちゃんが恥ずかしさで涙ぐむとハプニングに、彼女の純粋さを垣間見ることができた。
こんな感じでイベントは終了。
アナログレコード、LPの分厚い音を聴きながら、アーティストの思いにも触れることができるイベントだった。
(収録曲)
1 花のイマージュ/岡田有希子(さんみゅ~)
2 風立ちぬ/松田聖子(さんみゅ~:野田真実)
3 スローモーション/中森明菜(橘はるか)
4 哀愁のカルナバル/河合その子(ハコイリ♡ムスメ)
5 Love Fair/岡田有希子(さんみゅ~:新原聖生、西園みすず)