ハコムス初のカバーアルバム「青春の音符たち〜Respect for 80's & 90's」のリリースを受けて始まったプレミアムツアー「Respect for」公演。
ファイナルとなる今日は、横浜KENTO'Sにて、元おニャン子クラブの渡辺美奈代をゲストにして行われた。
(ポスター・レコード・CDのディスプレイは、昭和アイドルアーカイブスさん提供)
オープニング
生バンドのスカーフェイスがステージに揃うと、舞台袖にハコムスの我妻・吉田・塩野が登場。
塩野「週の始まり日曜日」
我妻「真ん中もっこり」
吉田「夕やけー」
全員「ニャンニャーン!!」
ヤバい。
このオープニングだけで、気分は1985年の水曜日の夕方5時に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(ちなみにこの映画も1985年公開)。
ハコムスメンバーが袖にはけると、「あ・の・娘・と!」「ス・キャ・ン・ダル!」
放送当初、おニャン子クラブの楽曲がない時代にオープニングで使われていた曲を、今回のライブツアーの演奏を担当したスカーフェイスが演奏。
こういう時代考証から再現するあたりがハコムス運営の凄いところ。
完全に80年代の空気感が会場を包む。スカーフェイス、いいバンドだけど、特にボーカルが「ザ・藤井フミヤ完コピ!」って感じで痺れた。
ハコムス単独で聴かせる前半
ハコムスメンバーが登場すると、ハコムスのおニャン子カバーの代表曲とも言える「真っ赤な自転車」。
自己紹介の後は、ビッグバンドでスウィングするようなジャジーなアレンジの「私をよろしく」。
そして、コード進行でオールディーズを想わせる「恋はくえすちょん」を。
おニャン子の楽曲数ある中で、なるほど「生バンド」の良さが引き立つのはこの辺だなと唸らされる選曲。
MCを挟んで「いじわるねDarlin‘」「アンブレラ・エンジェル」。
いつも何気なく聴いているカラオケ音源の楽器ソロが生演奏になって一層いきいきと聴こえてくる。
そして、そんな演奏を背景に、ハコムスメンバーの歌声がみずみずしく響く。
やっぱり、生バンドでのライブはいいなと思う。
「ザ・アイドル」渡辺美奈代 登場
そしていよいよ今日のゲスト渡辺美奈代の登場。
「美奈代さーん!」のコールに呼ばれるように登場した彼女は、ミニスカートから細い脚を覗かせ、10代の時と変わらぬアイドルオーラをまとっていた。
ステージの中央に立つとおニャン子クラブで、富川春美・渡辺満里奈とともに歌っていた「避暑地の森の天使たち」をハコムスとコラボ。
ボーカルは、渡辺美奈代・星里奈・塩野虹という3人メイン編成で。
聴きながら「いい音楽は古くならない」という言葉が浮かんでくる。
次はハコムスメンバーから渡辺美奈代への質問コーナー。
Q「おニャン子クラブの時に楽しかったことと大変だったことは何ですか?」(井上)
A「楽しかったのはツアーで全国に行ったこと。大変だったことは学校との両立」
Q「おニャン子当時の映像を見たんですが、かわいさも歌声も今と変わっていなくて驚いた。どうしたらそうなれますか?」(吉田)
A「特に何もしていない。運動といっても家事くらい。でも、「みんなに見られている」というのはいつも気にしている」
Q「たくさんの歌を歌っていますけど、一番好きなのは何ですか?」(塩野)
A「うーん・・・逆にあなたは何が好き?」
Q「えっと、私は・・・やっぱり「避暑地の森の天使たち」」(塩野)
A「私の(ソロ)曲じゃないんだ?(笑) うそうそ(笑)。「避暑地の森の天使たち」はいい曲よね」
Q「おニャン子クラブというグループとソロになってからでどういうところが違いますか?」(寺島)
A「ソロは一人で全部やらないといけないっていうところかな」
渡辺美奈代が持ち前のサービス精神で会場のファンからも質問を募るが、シャイなファンが多いせいか誰も挙手せず。
そんな中、ハコムスの鈴木プロデューサーが挙手。
Q「おニャン子のメンバーで今でも交流とかあるんでしょうか?」(鈴木P)
A「そうですね、実際に集まったりとかはないですけど、ラインはしてますね。ゆうゆとかスーザンとか」
こんな感じ。貴重な話が聞けた。
そして、ハコムスが渡辺美奈代ソロでカバーしている「ガールズ・オン・ザ・ルーフ」と「Winterスプリング、Summerフォール」を渡辺美奈代とハコムスのコラボで。
本人による「注目のポイント」は、「ガールズ・・・」は、エンディングをハシゴを登るかわいい振り付け、「Winter・・・」は、ロングスカートをつまむ振り付けということ。
確かに特徴的だし、そう言われて改めて見ると、振り付けに楽曲の世界観が凝縮されてるように思えた。
ここからは渡辺美奈代ソロのコーナー。
ハコムスも順番に入れ替わりながら、コーラスで参加。
ソロデビュー曲「瞳に約束」、当時歌詞が話題になった「TOO ADULT」、そして新し目の「Merry GO! Land」。
曲が始まる前にコールの入れ方をジョークを交えながら練習したり、実際に曲が始まるとBメロでホイッスルが「PPPH」のリズムで吹かれたり、なるほどこうやって盛り上げるのかと新たな発見があった。
3曲のソロが終わると盛大な拍手で送り出された渡辺美奈代だったが、ハコムス最後の曲「夏休みは終わらない」が始まると、間奏あたりからサプライズでステージに飛び入り。
最後にもうひと盛り上がりということで、もうなんかプロのエンタテインメントとはこういうものかという思い。
間奏では、バンドメンバーの紹介と各パートのソロもあって、生演奏の醍醐味を感じた。
「生バンド+カバー元アイドルのゲスト参加」というプレミアムなハコムスのツアーだったけれども、内容的に凄く充実していた。
音楽の楽しさを再発見したり、「アイドルとは」みたいなものを考えさせられたり。
2010年代前半に雨後のタケノコのように生まれたアイドルブームは、今は明らかに退潮の局面にあって、解散や卒業のニュースを見ない日はないと言っても言い過ぎではない。
ある意味「アイドル冬の時代再び」という感じもある。
しかし、そんな時代がきたとしても、やっぱりいい音楽はいいし、いい音楽は残る、そう思わされるツアーだった。
先月リリースした「青春の音符たち」というカバーアルバムも、凄く丁寧に作られた作品だったし、歌い継いでいく人がいればいい音楽は残る、そしてその担い手にハコムスがなれるとしたらそれは素敵なことだし、ハコムスのオリジナル曲もいつか歌い継がれるようになる日が来るのかもしれない。
そんなことを考えながらツアーファイナルを見届けた。
このツアーが終わると、7月のファーストワンマンに向けた取り組みが本格化していくのかもしれないけれど、今回のツアーのように音楽の楽しさを感じられるものであったらいいなと思う。
物販・特典会
今日はステージの上で撮影できるということでメモリアルな機会なので、吉田万葉ちゃんの全身写真。
KENTO'Sの雰囲気を残せているといいな。
そして、昨日小学校を卒業した戸羽望実ちゃん。
これは ある意味「TOO ADULT」。尊い。。
最後に我妻桃実ちゃん。
なんでも着こなすぽにょだけど、ツアー限定のオールディーズな衣装はよく似合う。
どんなゲストを迎えてもステージをしっかりとまとめ、しかも多くのことを吸収していくハコムスの頼れるリーダー。
今日はツアーが終わって寂しいと心底思わされた。
(セットリスト)
OA あの娘とスキャンダル(スカーフェイス)
1 真っ赤な自転車
MC
2 私をよろしく
3 恋はくえすちょん
MC
4 いじわるねDarlin‘
5 アンブレラ・エンジェル
MC
<渡辺美奈代登場>
6* 避暑地の森の天使たち
7* ガールズ・オン・ザ・ルーフ
8* Winterスプリング、Summerフォール
9** 瞳に約束(コーラス:鉄戸・井上・戸羽)
10** TOO ADULT(コーラス:我妻・吉田・塩野)
11** Merry GO! Land(コーラス:阿部・星・寺島)
12 夏休みは終わらない(* ハコムス+渡辺美奈代コラボ)
(** 渡辺美奈代ソロ+ハコムスコーラス)