水曜日のカンパネラがじわじわ来る

「さそりの毒は あとで効くのよ」と美川憲一は歌った。水曜日のカンパネラの毒もあとで効くようだ。

水カンのステージを最初に見たのは12月5日の「渋谷女子音楽会」。ボーカルのコムアイのパフォーマンスは、決して聴衆を圧倒するようなものではなかった。自分でPCを操作してバックトラックを流してから、歌い、踊るという完全に一人だけの勝負。

照明を真っ暗にして懐中電灯で照らすはずが、あまりに暗くし過ぎて懐中電灯が見つからないとか、歌詞を忘れて適当に鼻歌にするとか。なぜか忘れがたい。もう一度聴きたくなる。

こうしたコムアイの魅力を、メンバーのケンモチヒデフミは、このように語っている。

(前略)
一人で歌って、MCして、PCで音出して。 ステージは彼女の一人舞台です。 プロデューサもディレクターも一切手を出さず、 観客席側でお客さんと同じように見守っているだけです。

「一人でやらせるにはあまりに酷過ぎる。」 まったくもってそのとおり。 今でもコムアイのステージを見ていると「本当に大丈夫なのか」 と我々もヒヤヒヤすることが多々あります。 あやうさ、つたなさ、もろさ、いろいろひっくるめて 「この子一人放っておいては危ない」と勝手に危機感が沸くのです。

それが水曜日のカンパネラの違和感であり、未完成さであり、 裏を返せば「なんだか気になってハマってしまう」要素なのではないかと思います。
(後略)

h-kenmochi.com

本当にそうだ。この遅行性の毒のせいで、僕派今夜も眠れそうにない。


水曜日のカンパネラ『お七』 - YouTube