松田美由紀トークショー@代官山蔦屋

フォトグラファーとしての松田美由紀が好きだ。ファースト写真集『私の好きな孤独』は、女優の片山瞳の美しい肢体を撮ったものだが、松田美由紀のセンスと撮影技術の確かさに加えて、被写体と撮影者のぶつかりあいが感じられるような文学性に圧倒された。

今回、2作目の『ボクノクルマ』の刊行を記念したイベントが代官山蔦屋で開かれたので足を運んだ。雑誌「GENROQ」連載の「イイ男とイイ車」の写真グラビアの集大成。俳優、ミュージシャン、お笑いタレント等幅広い被写体をかっこよく撮っていて彼女の本領発揮。男と車の渋い「色気」をここまで正面から撮るフォトグラファーはいま貴重かもしれない。

トークショーは、撮影秘話を中心に盛り上がる。モデルは最初の頃はほとんど松田美由紀の友達でブッキングも簡単だったとか、佐野史郎の撮影で湖のボートの上でのけぞるポージングを取らせてバランスを崩しそうになったとか、斉藤和義は最近綺麗になったけど撮影で会ったときは汚くて「無理無理無理」と思ったとか。ざっくばらんだが芯のある松田美由紀のキャラクターもあって、笑いが絶えなかった。

質問タイムに機材のことを聞いたところ「ベタですがCanon。測距点の多いやつ」ということまで教えてくれた。フィルム派なのでEOS-1vなんだろう。

最後にサイン会。自分の順番のときにサインをしながら「次はまた女性を撮りたんですよね」と語っていた。早く実現するといいな。

ボクノクルマ

ボクノクルマ