川口春奈の写真集「haruna3」を買った。
このシリーズは「haruna」「haruna2」と長野博文が撮影しているが、今回は長野博文と佐藤裕之のダブルネームになっている。
最初の「haruna」は、当時17歳の川口春奈を収めたもの。彼女の出身地の五島列島と石垣島でロケを行っていて、初々しい少女の姿をそのままに残した傑作だった。

- 作者: 長野博文
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2012/03/20
- メディア: 単行本
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続く「haruna2」は、彼女の高校卒業のタイミングで「卒業」をテーマにリリースされたもの。セーラー服やスクール水着といった学生時代ならではのアイテムも盛り込みながら、タイや冬山をロケ地にしていて、この年齢ならではの輝きを収めたかけがいのない作品になった。

- 作者: 長野博文
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2013/03/24
- メディア: 単行本
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それに続いて今回の「haruna3」。二十歳になった川口春奈は、すっかり少女から大人になっていて、その彼女に似合う場所として、ハワイとクロアチアが選ばれた。ときに健康的に、ときに妖艶に、カメラの前でポーズを取るその姿は一つの完成形であって、このシリーズの「集大成」に相応しいと感じた。

- 作者: 長野博文,佐藤裕之
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2015/02/10
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長野博文は、川口春奈のこのシリーズを最初から撮っていて、そのときどきのコンセプトを忠実に反映したカットを残しているように見える。年齢もロケ地も違うが、同じ被写体を同じフォトグラファーが間隔をあけて撮影することにより、あたかも「定点観測」のような趣になっている。
たとえば、「haruna3」の表紙のカットは、「haruna」の表紙のカットと、ロケーション、カメラアングル、表情などがほぼ同じである。
長野博文による川口春奈の定点観測は、もしかしたらここで一区切りなのかもしれない。もう一人のフォトグラファーである佐藤裕之の撮ったカットは、この写真集の最初に最後に置かれている。長野に通じる優しい色味であるが、構図やライティングはかなり大胆で、髪を切るショットは、相当インパクトのあるものになっている。
次に川口春奈が写真集を出すとすれば、今回の佐藤の切り取ったようなアーティスティックで、より自己主張の強いものになるのではないかと漠然と思う。この先は、今までのような定点観測的な成長の記録ではなく、女優としての川口が表現したいものも反映しながら、新しい境地を繰り広げて行くようになっていくのではないだろうか。