終わる日常―『映画けいおん!』

3泊5日のロンドンへの卒業旅行。そして卒業。だいたい予想通りの「けいおん!」ワールド。期待を裏切られることはなかった。良くも悪くも。

公式サイト:映画けいおん!公式ホームページ|TBSテレビ

思うに、梓の登場以降、『けいおん!』は完全に唯と梓の二人のためのドラマになった。もちろん、澪、律、ムギの3人のキャラクターは立っているし、5人そろっての放課後ティータイムなのではあるが、唯と梓の関係性に比べれば脇役みたいなものだ。

今回の映画のストーリーは『けいおん!!』の最終話につながるもので、完全新作ではあるが、物語自体に新味はなく、ある種のディレクターズエディションで加えられたパートのようなものだと思う。それでも、ロンドンという異国の地での彼女たちの危機感のなさにはらはらすることもあったが、日本にいるときとの変わらなさこそ『けいおん!』が主張してきた日常の素晴らしさなんだろう。だからこそ余計に、その日常が終わることの物悲しさを感じるのだ。

今度、ロンドンで『映画けいおん!』の聖地巡礼でもするか。