綾辻行人『Another(上)』

来期アニメ放映予定の綾辻行人『Another』の文庫の上巻を読んだ。

「学園ホラー」モノで、昔ならジュブナイル、今ならライトノベルに含まれてもおかしくない。あの綾辻行人ライトノベル?!ということなのだが、想定している読者層は、中高生ということで間違いないだろう。

学校に昔からある謎とか、次から次へとクラスメイトが怪死していくとか、お約束通りの展開が続くのだが、なかなか本書ならではの面白さを見つけるのは難しい。下巻になると面白くなるのかもしれないが。

全体的にギクシャクとした雰囲気があり、綾辻行人は中高生向けの軽い文章を描くのがそれほど得意ではないのかもしれないと思わせる。こういう「ホラー」系であれば、乙一の方がずっと引き込まれる文章を描くなあと思う。

まあ、まだ上巻なので、下巻まで読むときっと衝撃のトリックが明かされるのだろうと期待。何といっても綾辻行人の作品の醍醐味はそこにあるはずなので。