リーマンショックの真実〜"Too Big To Fail"

初めて買ったKindle bookの"Too Big To Fail"をようやく読了。

Too Big to Fail: The Inside Story of How Wall Street and Washington Fought to Save the FinancialSystem---and Themselves

Too Big to Fail: The Inside Story of How Wall Street and Washington Fought to Save the FinancialSystem---and Themselves

リーマンショック前後のアメリカ。ウォールストリートの投資銀行・金融機関の首脳、連銀関係者、政府関係者、大規模投資家等への綿密な取材による力作。表題の「大きすぎてつぶせない」はいまや陳腐化した言葉だが、金融システムが危機に瀕したときには、やはりこの動機で各人が動き出すということがよく分かる。

チームによる編集の賜物かと思えば、なんとNYタイムズの記者の単独によるもの。こんな本を書けるジャーナリストというのは本当にすごい。今回の危機を「100年に一度」とするならば、このタイミングで精力的に取材・執筆ができるなんて、それこそ僥倖というものだろう。いや、もちろん文句なしに実力もあるのだが。

日本語訳の発刊が望まれる本。日経か東洋経済あたりでもう手をつけてはいるんだろうな。

あと、Kindleは意外に読みやすいことが分かった。しかも、分厚いペーパーバッグと違って気軽にかばんに放り込めるし。