貞子かわいいよ貞子〜『君に届け』

別マ連載の『君に届け』のアニメが始まった。

(公式サイト:君に届け 2ND SEASON

貞子こと爽子(CV:能登麻美子)の健気さに初回から泣ける。モノローグの純粋さ、他人に話すときの不器用さ、そして芯の強さ。能登麻美子、やはり凄い。この人が爽子でない『君に届け』は考えられない。

作画も安定している。まず、色使いが綺麗だ。力強くて大胆だけれど、柔らかくて優しい。ときおり入るコミカルなデフォルメのカットも、ほかのシリアスなカットと連続しても違和感なく、少女マンガの特有の世界観を醸し出している。

今回の『プロローグ』は、二人の高校入学から始まる。ほとんど接点のなかった爽子と風早君の距離がいくつかの出来事を通じて少しずつ縮まっていく。そして迎えた夏休み直前の肝試し。爽子はクラスメイトの期待に答えるために、白い服を身にまとって暗闇に潜んで脅かす役を買って出る。そこで起きた出来事。いやー、風早君、すごくオトコマエです…

そして、あの素晴らしい瞬間。あの言葉を聞いたときの爽子の気持ちを想うだけで、胸が締め付けられる。そして、胸を締め付けられるといえば、OPのタニザワトモフミの『きみにとどけ』が、これまた甘くて切ない名曲。メジャーセヴンスを多用したコード進行に乗せて、繊細なボーカルが歌い上げていく様は、初期スピッツを彷彿とさせる。EDのCharaよりも個人的に印象深い。



きみにとどけ

きみにとどけ

今期アニメで今のところ決定打がない中、最後まで見たいと思わせる数少ない作品。