『クリムト、シーレ ウィーン世紀末展』@日本橋高島屋

世紀末ウィーンといえば、音楽ではマーラーシェーンベルク、思想ではフロイト、そして絵画では、クリムト、シーレあたりが有名。だが、世紀末のウィーンを飾ったのはクリムト、シーレだけではない、という企画趣旨。
NYのノイエ・ギャラリー(Museum Landing Page | www.neuegalerie.org)には何度も行ったけれど、本場のウィーン・ミュージアムにはなかなか行けないだろうから、これは貴重な機会。当時のウィーンの文化の官能的で退廃的な雰囲気がよくわかった。

一番の見ものはクリムトの「パラス・アテナ」。スクエアフォーマットに左右非対称な構図、そして輝く金。こちらを睨み付ける二つの瞳。アルバムジャケットにそのまま使えそう。作品を鑑賞しながらまるで金縛りにあったかのように固まってしまった。

あとは、マーラー好きならおなじみのこの横顔。

エミル・オルリクという画家の手によるものだということを初めて知った。原画を見ることができてちょっと感動。

今回、クリムトの作品は残念ながらそれほど多くないし、小さめのサイズのものばかりだが、東京で集中的に見る機会はやはり得がたいと思う。ちなみに、18時以降の入館だったので、入場料が半額で、なおかつ空いていた。なんだか得した気分。

ウィーン・ミュージアム所蔵
クリムト、シーレ ウィーン世紀末展
主催:読売新聞東京本社、美術館連絡協議会
後援:オーストリア大使館

ウィーンの黄金時代を彩った画家たち。
19世紀末ウィーンー保守的な芸術を脱し、アカデミズムに訣別を告げた「ウィーン分離派」を中心に、絵画、建築、デザインなどの分野を超えて表現者たちが交流し、彼らの独創的な表現がウィーンを彩りました。
本展では、ウィーン・ミュージアム(旧ウィーン市立歴史博物館)のコレクションの中から、クリムト、シーレをはじめ、マカルト、モル、モーザー、オッペンハイマー、ココシュカらの選りすぐりの絵画約120点を公開いたします。