『少女マテリアル』狂想曲

快楽天を代表する漫画家の鳴子ハナハル(公式サイト*閲覧注意:楽天が運営するポータルサイト : 【インフォシーク】Infoseek)の初の大人向けコミック単行本『少女マテリアル』が凄いことになっている。

少女マテリアル (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)(表紙がアレなので控えめなサイズで掲載)

もともと鳴子ハナハルは画力に定評があり単行本化が待たれていたのだが、今回、騒ぎを大きくしているのはショップごとに異なる特典。

とらのあな(全店):カラー表紙付き小冊子(未発表ラフ含む)
メロンブックス(全店):カラークリアファイル
ケイブックス(秋葉原店のみ):描き下ろしカラー複製色紙
まんが王倶楽部:描き下ろしカラーポストカード
オータムリーフ:B5サイズ表紙複製原画
ホワイトキャンバス:描き下ろしカラーコメントペーパー

何も考えず秋葉原のケイブックスで買ったので、カラー色紙が付いてきたのだが、これはこれで取り扱いに困るシロモノ。勇者は部屋に飾ったりするのだろうか。秋葉原限定ということで一時は転売屋も跋扈していたようだが、相場もちょっと落ち着いてきた模様。個人的には、メロンブックスのクリアファイルのイラストの方が好み。でも、何冊も買うつもりはない。ヲタから毟り取ろうとする出版社の戦略に乗せられてなるものか。

で、肝心の内容の方だが「単なるエロじゃない」という文芸路線が見え隠れしていてちょっとどうかと思った。まあ、確かにハナハル作品は、純情で胸がしめつけられるようなエンディングが多いのだが、三浦靖冬(公式サイト*閲覧注意:空想考古学会)のような文学性を獲得するまでには至っていないと思う。これに1,365円という値段を付けたり、ショップごとに異なる特典を付けたり、購入者限定で9,000円のポスターを売ろうとしたりと商魂たくましいワニマガジン社には猛省を促したい。そんなことをしているヒマがあったらハナハルの傑作『クラスメイド』の単行本を出すべし。