『"文学少女"と穢名の天使』

"文学少女シリーズ"の4作目。遠子先輩も受験を控えていたりと確実に時計は進んでいる中で、『オペラ座の怪人』を下敷きにしたような事件が起きる。今回の主役は、ツンデレ(というかツンツン?)の琴吹ななせ。

相変わらず、スイート・アンド・ビターというか、ライト・アンド・ヘヴィな展開。読みやすい文章と、水彩画チックな表紙の陰に隠れているが、本質的に人間の持つ暗い面を見据えているシリーズだと思う。

ところで、前作のエピローグで、この巻からいよいよ登場かと思われた「美羽」は結局登場せず、肩透かし。あとがきでは「前作で見せ場がなかった琴吹ななせにスポットライトを当てたかった」とあるので、次回こそきっと美羽が登場するのだろう。となると、主人公の心葉をめぐっての鞘当になるのだろうな…

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)