なぜ書くのか〜『劇場版"文学少女"』

大型連休+映画の日+封切ラッシュということで映画館が激混み。そして花澤香菜デイということで(というか勝手に命名)、『劇場版"文学少女"』と『いばらの王』をハシゴしたが、今日のところは『劇場版"文学少女"』の感想を。以下軽くネタバレ。

公式サイト:“文学少女”

原作の5作目『"文学少女"と慟哭の巡礼者』を下敷きとしながらも、映画用のオリジナルエピソードを追加している。ということで、基本的には宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフとしている切ない話。

なぜ書くのか。誰のため書くのか。心葉は迷い、間違えながらも、最後に答を出す。それは、"文学少女"こと遠子先輩の導きによるものだ。男同士の友情も、叶わない恋も、そして悲しい過去も、すべては文学のために。すべては読む人のために。

脚本はもうちょっとプロットを整理して、メリハリがあってもよかったと思うが、駅のホームのシーンとか、エンディングとか、ちょっとどきどきさせられた。

映像はやや単調に感じたが、まず安定していた。竹岡美穂の水彩画の世界と別物というのは仕方ないことだけれど、『涼宮ハルヒの消失』なんかと比べてしまうと、もうちょっと頑張ってほしいと思ってしまう。まあ、これがプロダクションI.G京アニの違いなんだろう。でも、クライマックスのプラネタリウム〜銀河鉄道のあたりの映像は美しかった。

声優は、遠子先輩を演じた花澤香菜は期待以上。こんなに上手かったっけ、と思わせる出来。そして、メンヘラの美羽を演じた平野綾が印象的。『君に届け』のくるみのCVのときにも思ったが、平野綾はこういうちょっと複雑な役となるとがぜん凄みを増すと思った。

そしてグッズ。パンフレット、クリアファイル、しおり。以上3点で2,400円也。ちょっとした散財だと思ったが、パンフレットの巻末のグッズカタログを見ると、オルゴール9,800円とか載っていて驚き。"文学少女"商法、地味に凄いな。遠子先輩のねんどろいども出るらしいし。

最後に、蛇足。芥川君がアーチャー激似。しかも、弓道してる。本物のアーチャー。