「世界」はけっして僕らを中心におかせてくれなどしない。自分のいるところが「世界の中心」だなんて思える人は、幸福な子供だろう。大人であれば、よほどおめでたい人だ。
「世界」は僕らに必ずしも好意など持っていない。それどころか、ときに「世界」は悪意をもって僕らに対峙しているように見える。そして「世界」は僕らを引き離していくだろう。万有引力とは、物と物が引かれ合う力のことだが、人と人を近づけるような法則は、この「世界」には存在しないように見える。
世界が二人を引き離してゆく
理解の向こうなどもう見たくもないぜ
まだ期待してるのかい?(GRAPEVINE 『いけすかない』)