だから僕は転がり続ける

「転がる石には苔がつかない」ということわざがある。このことわざには、否定的な意味も肯定的な意味もある。だが、苔なんかつかなくてもいいと思う。転がり続けることは、単純に楽しいから。

変化によるストレスもある。不安もある。でも、それがなくなった平凡で単調な日々に耐えられるだろうか。退屈な時間をどうやって過ごすのか。馴れ合いの人間関係、陳腐化した会話、そして成長しない自分。離れていく人がまぶしく見える。まるで、毎年卒業生を送り出す在校生のように。そして、いつまでも留年し続ける僕。いや、やっぱりそんな生活はいやだ。

リスクを取ろう。挑戦しよう。転がろう。世界を広げよう。友達の数は増えなくてもいいから、見る風景の数は増やしたい。誰も見たことのないものを見たい。実像でもいい。イメージでもいい。だから僕は転がり続けるのだろう。