キヤノンがフィルムカメラの新規開発の中止を検討

キヤノンの内田社長が、フィルムカメラの開発を中止することを検討していると発言した。

キヤノンの内田恒二社長は25日、朝日新聞などのインタビューで「新機種を作ることは難しい状態」と述べ、新規開発をやめる可能性を示唆した。キヤノンと並ぶ世界2大メーカーのニコンも新規開発をやめており、銀塩写真愛好家らはやきもきしそうだ。

 フィルムカメラはキヤノンの創業事業で、現在国内で生産しているのは一眼レフ4機種、コンパクト型3機種。高い技術力を誇りながらも、デジタルカメラに押されており、05年のカメラ事業の売上高約8800億円のうちフィルムカメラと専用レンズは17%にとどまる。1月に開かれた05年12月期決算発表会見では、役員が「発売する機種数は減る」としながらも、新規開発を続ける方針を表明していたが、カメラ部門出身で23日に就任したばかりの内田社長が自ら軌道修正した。
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となると、フィルム一眼レフは、現行のEOS-1v、EOS7s、EOS Kiss7、EOS Kiss Liteの4機種が最後の機種になる可能性が高い。EOS-1シリーズの後継機を待ち望む声は主にハイアマチュア層から挙がっていたが、業務用(プロ用)の市場がデジタル一眼レフに喰われた以上、以前のような開発費を投入して開発できる見込みは乏しい。その意味で、キヤノンの経営判断は間違ってはいないと言える。

裏を返せば、現行機種については需要のある限り生産を続行するということで、フィルムカメラからまだまだ撤退しないというキヤノンの意気込みを感じる。