フィクションとノンフィクションの間〜『タイトル、拒絶』(2020年、山田佳奈監督)

劇団□字ックを主宰する山田佳奈が、2013年から公演している『タイトル、拒絶』を自ら監督となって映画化した作品。

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伊藤沙莉がメインで出ているということで今回見に行ってきた。

lifeuntitled.info


都内(鶯谷あたり?)を舞台にした派遣型のセックスワーカー業界をめぐる人間ドラマ。

キラキラした物語とは真逆にあるようなリアルな東京アンダーグラウンドの世界だが、変に美化されたり、逆にセンセーショナルに描かれることのない感じで、ある意味でずっとヒリヒリと痛々しかった。

感情をこめまくった長めの台詞回しも、時間を重ねていくにつれて、人間関係がどんどん詰んで行って爆発を誘う感じも、まさに小劇場のノリがそのままでミニシアターに持ち込まれたような生々しさ。

伊藤沙莉の冒頭の独白が、物語の中の一人物であるだけでなく、鑑賞者に直接語りかける語り部にもなってて、フィクションとノンフィクションの境目を曖昧にするトリッキーなもの。フィクションとノンフィクションの間を取っ払うような効果的なもので、彼女の凄まじい演技力のおかげで、リアリティが一気に高まった。

あと役者では、現場を任させているがどうしようもないクズな店長を演じた般若も「本物」感があった。

葉月つばさ × 青山裕企写真展「巣立ち」@ユカイハンズ・ギャラリー

青山裕企さんが葉月つばさちゃんを撮った写真展「巣立ち」をユカイハンズ・ギャラリーに観に行った。

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今日はつばさちゃんのサイン会もあり、予約は事前に完売。

初めて会ったつばさちゃんは映像の印象よりも華奢でかわいかった。

写真集2冊買って、サインもらってお菓子ももらえて、これは実質無銭。

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青山さんが撮った「巣立ち」の写真も、彼女のナチュラルな魅力が溢れててよかった。

すっぴんに近いナチュラルメイクと、普段着の感じにリアリティを感じられるというか。

たまらずプリントを一枚購入。届くの楽しみ!

いい展示・イベントだった。

フリーになったつばさちゃんも頑張っているから、ぜひ活躍する機会が増えて欲しいと思った。

応援していきたい。

『ステップ』(2020年、飯塚健監督)

ネトフリで『ステップ』が観られるようになった。

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『 全員、片想い 』の『 NICKNAME is BUTATCHI』を手掛けた飯塚健が監督。

重松清の原作で、妻に立たれたシングルファザーの子育てを山田孝之が演じる。

娘役は幼稚園から小学校卒業までの期間を3人の子役でリレーしているが、第二走者の白鳥玉季の演技が卓越。

山田孝之との掛け合いから生まれるうねりが熱い。

「飯塚組」とも言える中川大志伊藤沙莉も出演。

中川大志カメオ出演だけれども強烈な存在感、伊藤沙莉は幼稚園の保母さんをリアリティをもって好演。

何やっても役になりきれる凄い女優だなと改めて思った。

伊藤沙莉の作品全部見尽くしたいな。。。