18世紀の貧しい東北を舞台とした作品。
自分の指向的には山田杏奈主演でなかったらまず見ないタイプの映画。
「山男」の民間伝承だったり、天候不順に対する祈祷だったり、生娘を生贄とする風習だったり、いろいろな意味であまり見たくないものが描かれる。
陰影を丁寧に描く美しい映像、余分な装飾をそぎ落としたような骨太な音楽、そして泥臭さを体現する俳優陣の演技。
山田杏奈の演技には静かな迫力とでもいうべきものがあり、台詞がなくてもあの「目」でいろいろなものを語り掛けてくる。
アメリカとの合作ということもあって、「未開で貧しくて迷信深く野蛮なジャパン」に対するオリエンタリズムな視線が拭えず。
監督がどこまで自覚的なのか分からないが、「日本の陰」を暴くというような啓蒙的な意識が強くて、終始居心地の悪さを感じる。
国際映画祭ウケする作品ではあると思うが、他の人に「お勧めか」と問われたら自分はそうではないと正直に答えるかな。。。