思春期の物語として秀逸〜『彼女が好きなものは』(2021年、草野翔吾監督)

去年の劇場公開の時に見る機会を逃した『彼女が好きなものは』。

kanosuki.jp

山田杏奈愛が止まらない中、DVDの発売される6月を待てないので、下北沢トリウッドまで行ってきた。

『ひらいて』と『彼女が好きなものは』の同時上映という山田杏奈特集。

4月からのドラマでは、テレビ朝日の『未来への10カウント』、NHKの『17才の帝国』の2本に出演し、重要な役回りを演じる彼女。

しかも『17才の帝国』は『彼女が好きなものは』で共演した神尾楓珠との共演。

ということで、話題性も高まっているせいか、劇場はけっこう人が入っていた。

内容的には、良質な青春ドラマ。

スクリーンに映るのは、神尾楓珠の持つ神秘性と繊細さ。山田杏奈の演じる腐女子の過不足ないリアリティ。

BLをエンタメとして消費する風潮に一石を投じつつ、“LGBTポリコレ”に安易に着地させることもない、思春期の物語として良作。

特に、山田杏奈の演じた美術部員・三浦紗枝のスピーチが秀逸。

彼女の演技力は、やっぱり同世代の若手女優の中では頭ひとつとび抜けてると思う。