『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』を観た。
映画作品というよりは、内容の充実したドキュメンタリーという感じ。
ファッション写真界の巨匠であったヘルムート・ニュートンの生涯を、本人の過去のインタビュー映像や、モデルたちへの取材、奥さんの証言などを組み合わせて見せる90分。
ナチス政権下にユダヤ人として生まれた生い立ちから、80年代のVOGUEとのシンクロ、そして第一線を退いてから奥さんとパーソナルな写真を展示したりしていた晩年までを描くもの。
『VOGUE』での隙のないハイファッションの写真のイメージが強いが、それがルーツをたどればナチス時代のイメージに行き着くとか、撮影するモデルの内面にはほとんど立ち入らないとか、そうは言っても撮影中はチャーミングな会話で和やかにしているとか、新たな発見があった。
ポートレートを撮るものとしては、モデルたちの証言が一番興味深かった。
詳細は書かないけれども、いい写真撮りたいなと改めて思わされる作品だった。