J-GIRL POP WAVE プロトタイプLIVE@新宿ReNY

J-GIRL POP WAVEとは何か? 公式サイトから引用する。

J-GIRL POP WAVEとはアーティストを志向し、良質な音楽とライブパフォーマンスを届け、J-GIRL POPの新しいシーンを作って行こうとする女性グループ*個人の集合体。
J-GIRL POP WAVE

僕の場合「アイドルは好き、でも、いい曲のアイドルはもっと好き」なので、このJ-GIRL POP WAVEの「良質な音楽とライブパフォーマンスを届け」というコンセプトには発表当初から期待していたし、今日のプロトタイプLIVEを心待ちにしていた。ということで平日の夜、仕事を終えてから新宿ReNYへ。

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最初に佐竹さんの前説。J-GIRL POP WAVEの何たるかの説明。女子流、ドロシー以外のアーティストもいくつか交渉中で遠くない時期に加わる見込みであるとか、来年はZEPPクラスでのライブを予定しているとか、海外も視野に入れているという説明。

ドロシーリトルハッピー

先行のドロシーが登場。最新の白×黒チェックにピンクを刺し色にした衣装。「ASIAN STONE」から。

新しい世界の 大きな扉をこの手で開いていくよ

この言葉で始まる「ASIAN STONE」は、J-GIRL POP WAVEの意気込みと重なる。記念すべき一曲目にこれを選んだのはさすがだと思う。

次に新しいドロシーを見せる/聴かせる「In my life, for my life」へ。どんな環境にあっても自信の表現のスタイルを貫くドロシーらしい曲。

今日はじっくり聴かせるような楽曲を中心にするのかと予想した矢先に「2the sky」で一気にハイテンションへ。「COLD BLUE」「壊れちゃう 崩れちゃう」とマイナーなハードロックを続ける。

ここでようやくメンバーの自己紹介。女子流とのツーマンライブは2011年1月以来久しぶりで、当時はドロシーはメジャーデビュー前、女子流のオーラに感動したというMC。

続けて「STARTING OVER」というドロシーの必勝パターンへ。さらに、女子流ファンや、ドロシー新規ファンを意識してか、「Life goes on」「恋は走りだした」「デモサヨナラ」という有名曲をオンパレードにして畳みかける。

12月のツアーとミニアルバムを告知を入れて、最後の曲は「それは小さな空だった」。5人が直立不動で終わった恋を歌うバラード。高橋麻里をメインボーカルにしながらも残りの4人が分厚い3声(一部4声?)のハーモニーを聴かせる姿は圧巻。

ZEPPのワンマンでも聴いて鳥肌がたったけど、今日はさらにコーラスの完成度を上げてきた印象。個人的には本日のドロシーのハイライト。

(ドロシーセトリ)

1. ASIAN STONE
2. In my life, for my life
3. 2the sky
4. COLD BLUE
5. 壊れちゃう 崩れちゃう
6. STARTING OVER
7. Life goes on
8. 恋は走りだした
9. デモサヨナラ
10. それは小さな空だった

東京女子流

続いて女子流が登場。モノトーンながら、ジュエリーをまとった、アダルトでゴージャスな衣裳。

おなじみの「鼓動の秘密」でスタート。ショーケースの人形のような振付けのイントロから、活き活きとしたボーカルを聴かせるAメロ、そして会場が一斉にフリコピをするサビ。一曲目から会場を女子流の空気に切り替える。

自己紹介のMCから最新のハードボイルドな女子流「Count Three」「GAME」「existence」「pale blue nocturne」を4曲連続で。女子流をあまり見ない人にはなじみのない曲ばかりだが、今の女子流の作っている世界をじっくりと味わってもらいたいという強い意図を感じた。

MCを挟んで12月に発売予定の「Say long goodbye」と「ヒマワリと星屑(English ver)」を。

「Say long goodbye」はミニー・リパートンをも彷彿とさせる中江友梨の高音のファルセットで始まる。各メンバーのソロを経て、サビはメインボーカル+4声ハーモニー。音楽の力で身体が金縛りになったようになる。

続く「ヒマワリと星屑」は女子流の代表曲の一つだが、英語で歌う姿は、アジアやアメリカでの舞台を踏んで、さらに世界に羽ばたこうとする女子流メンバーの意思を感じることができた。

最後に盛り上る曲ということで、EDM色の強い「LIFE SIZE」と、デビューアルバムの「Attack Hyper Beat POP」を。ReNYをダンスフロアに変えるようなアツさだった。

東京女子流セトリ)

1.鼓動の秘密
2.Count Three
3.GAME
4.existence
5.pale blue nocturne
6.Say long goodbye
7.ヒマワリと星屑(English ver)
8.LIFE SIZE
9.Attack Hyper Beat POP

JGPWへの期待

ドロシー、女子流とも豊富なレパートリーの中からアゲ曲もバラードも披露したが、全体的に少しよそ行きで背伸びした感じのするセトリだった。そこに「今日はプロトタイプだけど、世界に向けて日本のガールズポップを届ける」という気概を感じた。

ドロシーはバラードや新曲を織り交ぜつつ「デモサヨナラ」で女子流ファンを含めた会場の一体感を演出。一方、女子流は、ドルヲタ大好き「おんなじキモチ」は歌わず、ハードボイルド中心に新しい姿を見せて観客を魅了。両者の考えの違いを見る思い。

ハイライトとなったドロシー「それは小さな空だった」、女子流「Say long goodbye」とも、終わった恋を歌うバラード。直立不動でメインボーカルの他に3声(一部4声?)ハモりをいれる高度な演奏。5人ユニットという編成を最大限に生かした表現。今日のJGPWは、今の日本で最良と言えるポップスを提供してくれた。

こういう音楽を聴くのに相応しい舞台というは確かにある。インストアよりもライブハウス。小さい箱より大きな箱のステージでこそ、パフォーマンスが輝きを放つのだろう、今日のステージを観てそう感じた。

JGPWにはさらにアーティストが加わると思われるのでそれも楽しみ。ドロシー、女子流という2組のコアアーティストに劣らぬクオリティを持ち、別の個性を見せくれるアーティストが加わることに期待したい。

終演後の握手会でドロシーの秋元瑠海は「今日はいろいろ感じることがありました。もっと頑張ります」と語った。JGPWがアーティストをいい形で刺激しあい、切磋琢磨にもつながることも願う。