観たいものぜんぶ―『ストライクウィッチーズ劇場版』

「絆」という言葉は、この作品にこそ相応しい。見終えて、そう思った。

公式サイト:ストライクウィッチーズ劇場版

ストライクウィッチーズ』ファンにとっては期待を裏切らない出来。公開初日の角川シネマ新宿の第一回にはストパンをこよなく愛するオタクたちが集まっていたこともあり、エンドロールが終わると劇場では拍手が起こった。

TV版の尺で言うと4話くらいのボリュームだが、起承転結がしっかりとしていて、長すぎず短すぎず、映画作品としての完成度は高い。登場人物は501中心ながら、それ以外の部隊メンバーも適度に露出していて、ストパン世界の広がりを感じられる。新キャラの服部静夏は、どちらかというと狂言回し的な役だが、この作品を通じて成長を感じられるところがあり、意外に感情移入できた。でも、個人的にはやっぱり眼鏡のハイデマリー萌えで。

軍艦とか戦闘機とか銃とかの描写が細かくて、軍オタにも評価されているこだわりは相変わらず。扶桑のメカもいいところでちゃんと登場する。個人的に一番ゾクゾクしたのは、ウィッチとネウロイの空中戦。『ガンダム』や『マクロス』の軌道も美しいが、ウィッチ達が飛翔するスピード感はやみつきになる。

TV版二期の1話・2話を観る度に涙を流していた自分にとっては、今回の劇場版はそれに匹敵する感動を得られたというところ。「還りたい空がある…」というコピーからどんな展開かは想像できてしまうかもしれないが、予定調和と言われようと、ご都合主義と言われようと、こまけぇこたぁいいんだよ!! 「こんなシーンを観たい」と思っていたものは全部観れたのだから。

ただ一つ玉に瑕だったのは、クライマックスのBGM。「フォーメーション・ユリウス!」という隊長の号令をキューにして、アップテンポの曲を流して欲しかった。TV版二期2話のBパートみたいに。それ以外は完璧な作品。何度でも観たくなる。グッズ販売が長蛇の列で何も買えなかったので、また近いうちに行こうと思う。