コミカライズされた『魔法少女まどか☆マギカ』の第3巻(最終巻)。TVアニメの9〜12話がこの一冊に対応している。
魔法少女まどか☆マギカ (3) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
- 作者: ハノカゲ,Magica Quartet
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2011/05/30
- メディア: コミック
- 購入: 23人 クリック: 398回
- この商品を含むブログ (382件) を見る
「あの怒涛の展開の4話を一冊にまとめるなんてできるのか」という疑問はもっともだ。空間も時間も宇宙的スケールで飛躍するあの展開を、コミックでも表現できるのだろうか、と。
だが、奇跡も、魔法も、あった。最終巻のクオリティは期待を上回って高く、結果的に完成度の高いシリーズに仕上がった。もちろん、相当駆け足であることには間違いないけれど、アニメ版で泣いた人なら、きっとこのコミックでも泣けるはず。というか、俺は泣いた。ループを繰り返したほむらを、時空を超越した存在となったまどかが抱擁する場面で。
作者のハノカゲは、もともとレベルの高い画力の持ち主だったが、巻を追うごとにめきめきとコミック的な腕を上げたと思う。短期間でこれはすごいことだ。
○1巻の感想より
原作に忠実。ハノカゲによる作画も破綻なく、個性的なキャラの描写も申し分ない。
(TV版と違和感ない出来―コミック『魔法少女まどか☆マギカ(1)』 - Sharpのアンシャープ日記)
○2巻の感想より
見所は何といっても迫力を増したバトルシーン。武器のぶつかる音が聞こえてきそうだ。
(バトルシーンの迫力アップ―コミック『魔法少女まどか☆マギカ(2)』 - Sharpのアンシャープ日記)
そして、3巻にして、キャラクターの内面を圧倒的な画力で表現するに至っている。ほむらが初めて魔法少女となったまどかに助けられるシーンでは、魔女の陰鬱さが劇団イヌカレー並みのレベルで描かれている。また、まどかが最後にキュゥべえに願い事をする場面も、全身が震えるような迫力を伴っている。
作者あとがきによれば、この巻から初めてアニメ版の絵コンテを見ることができたということだ。なるほど、そういう助けもあろう。だが、絵コンテに頼るだけでなく、独自の解釈でコミック版オリジナルの世界を広げているところに魅力を感じた。特に巻末の部分などは、まどマギファンならぜひ見たいと願っている場面ではないかと思う。
総じて、『魔法少女まどか☆マギカ』のファンだけではなく、未見の人向けの布教用としても手軽な存在だ。これは爆発的に売れる。