11月23日、北朝鮮が韓国に砲弾を撃ち込み、死傷者が出た。その翌日、NHK「紅白歌合戦」の出場者が発表され、K-POP勢はゼロ。日本でいま人気なのになぜ―という報道もあった。
隣国が事実上戦争状態にあるというのに、わざわざその国のエンターテイナーを呼ぶことはしないという程度に、NHKは良識を持っていることが確認できた。それはよい。当然だろう。しかし、それを「なぜ」という問題意識で捉えるメディアは駄目だ。どうしようもない。平和ボケだ。惰性に流されている。「小林対美川の衣装対決がなくなった」という話を一大ニュースだのように取り上げるのと同様、固定観念に蝕まれている。
まあ「紅白歌合戦」などどうでもいい。どうせ見ない。個人的には。それに、視聴率もまた低下するだろう。ただ、あれだけもてはやされているK-POPが、この戦争において何をできるのかというのは興味深い。
シェリルやランカのように、歌うことで相手を魅了することができれば、それは戦争状態にある国の歌手として立派なことだ。これこそがソフトパワー。21世紀の力。北朝鮮の情報統制の前では、人民にメッセージを届けることは難しいかもしれないけれども。だが、日本に来て知名度を高めたり外貨を稼いだりするよりも、もっと有意義なことが彼ら/彼女らにはあるのだろうと思う。
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