はじめてのIMAX〜『アリス・イン・ワンダーランド』

アリス・イン・ワンダーランド』を観た。3D映像を堪能するため、IMAX方式のシアターを求めて川崎109シネマズへ。そして、映像の美しさを求めて吹替版をチョイス。以下、多少ネタバレ。

公式サイト:アリス・イン・ワンダーランド | ディズニー映画/ブルーレイ&DVD

ティム・バートン×ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーターということで、どっぷりと奇怪で耽美的な世界になるかと思いきや、そこはディズニー映画。年齢制限なし。その制約の中で、無難に美しい映像を楽しめる。

ストーリーは「アリス」の後日談ということで19歳になったアリスが再び不思議の世界に迷い込むというもの。世界は同じようだが、自分が年を経たことで、世界のあり方や世界との接し方が変わる。そう、数々の出来事を経て、アリスは向こう側の世界で成長するのだ。そして、現実に世界に戻ったとき、彼女は自信をもって自らの人生を選択する。まあ20世紀的価値の先取りというべきか(当時としては)。

ジョニーのいかれ帽子屋は本当にいかれていて、彼らしい凝った役作りだった。ヘレナも奇形(フリーク)ではあるが、価値観の倒錯した世界の女王の威厳を見せてくれた。その点、アン・ハサウェイはまあ無難、ちょっと面白みに欠けるかもしれない。

おっと、主役はアリスか。彼女を演じたミア・ワシコウスカは、スチル写真だけでは存在感薄いように思った。だが、動いている姿は十分に魅力的。ロリータ的な美しさと自立した女性の強さが絶妙のブレンドだった。

次に、3D映像について。なかなかよく出来ていて、洞穴に落ちていく場面や、何かが飛んでくるような場面では、得がたい迫力があった。ただ、全編にわたって3Dが必要であったかどうかは微妙。まあ、「アバター」と違ってもともと「アリス」はそういう作品ではないのだろう。

で、IMAX方式。以前観たXpanDに比べると画面が明るく、メガネが軽かった。メガネの上にメガネをかけてもあまり疲れないが、そうでないのであれば、あまり決定的な違いではないかもしれない。2,200円と結構な値段だが、その価値があったかというのは見る人による。自分としては、事前に期待しすぎたのかもしれないが、IMAXの評判はちょっと過大かなと思った。それでも、川崎109シネマズの今日のIMAXチケットは午前中に全部の回で完売になっていたけれども。

最後に、字幕か吹替か。今回あえて吹替を選んだのは、『アバター』の3D字幕を観たときに文字が前の方に飛び出していて邪魔に感じたからだった。で、吹替はどうだったかというと、確かに映像美を堪能できた。だが、芋虫のアブ・ソレムの声が土師孝也であることに気付いた時点で「ちょっと待て」と。この声は、吹替版のスネイプ先生だ、と。そして、エンドロールで「アラン・リックマン」が声を当てていることに気付く。ああ、アラン・リックマンの声を聴くために字幕版を観なくては…

――と、こんなわけで僕の初めてのIMAX体験はまずまずの結果に終わったのでした。

(お土産)
写真では分かりにくいけど、ホログラフィ。