ヒットガールを楽しめ!―『KICK ASS』

『キック・アス(KICK ASS)』を観た。アメコミ原作のヒーローもの。といっても、内容的には、ヒーローにあこがれるオタクな主人公が、ひょんなことから本物のマフィアを相手に戦うことになってしまうというパロディ色の強い作品。系譜としては、『サボテン・ブラザーズ(スリー・アミーゴーズ)』とか『ギャラクシー・クエスト』のノリに近い「陽気な巻き込まれ系」。となると、エンディングも自ずから予想が付く。あの手の映画が好きな人にとっては、何ともたまらない逸品。

本来の主人公はオタクだが、完全にヒットガールに喰われてしまうのもご愛嬌。銃や刃物を自在に操る「戦闘美少女」を鑑賞するという点では、オタク向け作品とも言えるけれども。やや乱暴に言えば、この作品の主要な見せ場はヒットガールのために存在するといってもよい。「ビッグ・ダディ」役のニコラス・ケイジも、ヒットガールの圧倒的な存在感の前では引き立て役に回っているように見えるし。

ということで、ヒットガールを演じるクロエ・グレース・モレッツがかわいすぎて生きていくのがつらい。『(500)日のサマー』のとき全く違った光を放っている。個人的には『ハリーポッターと賢者の石』の頃のハーマイオニーと並ぶくらいの。

明快なストーリー、流麗な映像(BDの威力!)、そしてスタイリッシュな音楽。ヒットガールのテーマとも言える「Bad Reputation」なんかが特にクール。頭の中で何度も再生され、そのたびにヒットガールの華麗なアクションが蘇る。

難点は日本でのBD/DVDの販売価格が高いこと。Amazon.comなら14ドル程度で購入可能なのに。日本語吹替・字幕はなくても、基本的にアクションものでキャラが立っているから、英語でも十分楽しめる。ただ、ヒットガールのCVが沢城みゆきと知ると、吹替えも聞きたくなるな。

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)

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