日本でも、金曜日の夜は遅くまで開いている美術館が増えてきた。ということで、東京国立近代美術館のゴーギャン展を観て来た。
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初期の作品から、最初のタヒチ行きの後の版画、そして二度目のタヒチ行きで描いた作品群まで幅広く展示されていた。なかでも、集大成ともいうべき巨大な作品「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」(D'où venons-nous? Que sommes-nous? Où allons-nous?)は圧巻。作品が評価されないことや私生活での不幸が重なり、失意のゴーギャンが遺書として描いたとも言われる傑作。
生まれて、時間を過ごして、やがて死に行く運命。個人は死から逃れられない。では、種としての人間はどうか。どのようにして動物と異なる存在となり、どのように環境に変化をもたらし、そしてどのように滅んでいくのか。文明はどうやって生まれ、どこに向かうのか―そんなことを考えさせられた。
第1章 内なる「野性」の発見
第2章 熱帯の楽園、その神話と現実
第3章 南海の涯て、遺言としての絵画