これが最後に収録されている作品。
- オーギー・レンのクリスマス・ストーリー/ポール・オースター
読み進むにつれて「どうもどこかで読んだことのある話だが、何かのパロディだろうか」と不思議な既読感に襲われた。よくよく調べてみると『翻訳夜話』で柴田元幸と村上春樹が競うように翻訳していた作品の一つだった。なるほどね。
ストーリー自体は、語り手であるポール(!)の友人のオーギー・レンが、クリスマスに関するお話ということで、落し物の財布、盲目の老女、クリスマス・ディナー、カメラと写真等にまつわる話をするというもの。オースターの他の作品と同様、現実と虚構の境界が分からなくなる不思議な味わいを持った作品。
オースターの肉声は、かすかにしゃがれた渋い感じで、知的でかつセクシー。

- 作者: 柴田元幸(編・訳)
- 出版社/メーカー: アルク
- 発売日: 2008/11/28
- メディア: 単行本
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