『電脳コイル最終話』〜殿堂入り確定

(ネタバレあり)

公式サイト:電脳コイル|磯光雄監督作品

予想通りオープニングなし。最初から怒涛の展開。前話から持ち越された謎が冒頭から明かされる。そして、「向こう側の世界」でのおじじ、デンスケとの再会。もうこの辺から号泣。ヤサコはその世界の創造に自分が関わったことを理解する。その上で自分のいるべき場所を悟る。ガンダムのラスト「僕には、まだ帰れるところがあるんだ」を彷彿とさせる。デンスケはさしずめララァだ。

さて、ボスキャラはやはり猫目だった。ハラケン、メガばあ、かっこいい。最高の見せ場。それにしてもメガばあ強すぎ。ギリギリ限界のところで、猫目のプログラムが消去されていく。ここはもうエヴァだね。個人的な復讐のために電脳空間を我が物にしようとする彼を止めたのはほかならぬ弟だった。

最大の見せ場、イサコとヤサコの想いが作り出した向こうの世界にとどまり続けようとするヤサコ。彼女は兄が亡くなったことを認めたくないために、そこにとどまろうとする。危険を顧みず彼女を連れ戻そうとするヤサコ…

現実というのは痛みがある世界だけれども、そこに戻らなくちゃいけないんだ。イサコがそう覚悟を決めた瞬間に二人は現実世界に戻る。

「ただいま」「おかえり」

おお、これは鉄コン筋クリートだよ。涙で画面が見えない。

ここで終わりかと思いきや、後日談もきちんとフォローされる。「翌年の春」ということで、ヤサコもイサコも中学生になっている。ここでセーラー服というところが泣かせる。桜が散っているなか電話で話す二人。桜の花びらの散る速度は、確か秒速5センチメートルだったよね。

「仲間」とか「初恋」とか、少年だったころの自分のことを想い出す。あれやこれやが頭の中を駆け巡り、涙を拭くシャツ(←汚い)がぐちゃぐちゃ。

ということで、富野、庵野、宮崎などの先達の偉業をリスペクトしつつ、磯光雄は素晴らしい傑作を世に作り出した。感動の最終話とともに『電脳コイル』はアニメ作品の殿堂に入ることが確定したといえる。

来週からは同じ時間枠で再放送が始まる。でも、DVD-BOXが出たら買っちゃうかもな。

電脳コイル 第1巻 限定版 [DVD]

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